Introduction -イントロダクション-

 母を救った航空救難団に憧れ、女性初の救難ヘリUH−60Jの新人パイロットとなった川島遥風(はるか)。苛酷な訓練、感傷を捨てなければ全う出来ぬ人命救出の任務。荒れ狂う海へ、突風渦巻く断崖へ、強風吹きすさぶ離島へ。彼女は、葛藤しながら「救えないこと」の辛さをも乗り越え、救難ヘリ操縦士としての覚悟と誇りを育んでゆく。ある日、戦闘機F−15Jがレーダーから消えた。遭難したパイロットの救出に向かった遥風は、残燃料のリミットと闘い、命懸けのミッションに突き進む‥。

 航空自衛隊、航空救難団を舞台に、リアリティに裏付けされたダイナミックな“本物”のレスキュー・アクション大作が誕生。全編を貫くのは“命の尊さ”。そして、ディテールまでもがリアルな命懸けの救難活動の圧倒的な迫力。人命救助の“最後の砦”として最も困難な現場に投入される航空救難団のプロ意識には、感傷の入る余地はない。物語は、そのプロフェッショナル集団の中で、悩み、揺れながら、成長してゆく新人女性パイロットの等身大の姿と、彼女がその一員として 育んでゆく“覚悟”と“誇り”を、感動的に描く。
 主人公・遥風を演じるのは、長編映画初出演にして主役に抜擢された新星・高山侑子。彼女なくしては“遥風”は存在しない。そう言えるほど、彼女と“遥風”には運命的な繋がりがある。彼女の父は、2004年の新潟県中越地震で孤立した人々を救出し、翌年訓練中の墜落事故で殉職した新潟救難隊員。彼女は、追悼式に出席するため初めて来た東京でスカウトされ、芸能界入りし、本作に出逢った。「父がこの作品に導いてくれた」と語る高山侑子は、亡き父の生き方をドラマティックに追体験することとなった。
 映画が目指す救難活動のリアルな描写は、航空自衛隊と海上自衛隊の全面協力によって現実のものとなった。石川県小松基地や静岡県浜松基地で撮影を敢行。遥風が操縦する救難ヘリUH−60Jや、救難捜索ジェット機U-125A、戦闘機F−15J、護衛艦はるさめなどの勇姿が登場、物語になくてはならない第二の主役として、存在感を放つ。
 監督は、『ゴジラ×メカゴジラ』(02)、『戦国自衛隊1549』(05)などを手がけ、アクションの演出に定評のある手塚昌明。スピード感あふれるアクションと、そこに光る熱い人間ドラマは、観る者の心を揺さぶることだろう。
 遥風を見守り、あるいは仲間の絆を結んでゆく救難隊員や自衛官を演じるのは、魅力的なキャストたち。かつて同僚を救えなかった過去を持つ救難隊の隊長、菊田2佐に、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ(05・07)、『転々』(07)の三浦友和。飛行班長の3佐・鷹栖美那に、第61回カンヌ国際映画祭オープニング作品『ブラインドネス』(08:11月公開)で世界進出を果たした木村佳乃。葛藤を抱えるパイロット、織田1尉に『パッチギ! LOVE&PEACE』(07)の井坂俊哉。遥風への反発を仲間意識に変えるメディック(救難員)の瀬南2曹に、『ラストゲーム 最後の早慶戦』(08)の渡辺大。戦闘機F―15Jパイロット・横須賀1尉に「眉山」(07)の金子賢。護衛艦艦長に、『アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗』(07)の中村雅俊。
 原作はアニメーション「よみがえる空-RESCUE WINGS-」(バンダイビジュアル)、コミックス「レスキューウイングス」トミイ大塚著(メディアファクトリー刊)。


航空自衛隊、航空救難団とは:

1958年、墜落、不時着した航空自衛隊のパイロットを救出することを目的として編成(当時は「臨時救難航空隊」)され、現在、世界でもトップクラスの救難能力を備える救難組織。警察、消防、「海猿」で知られる海上保安庁などが対応困難な厳しい状況において、民間人救出のために出動する救難のプロフェッショナル集団であり、人命救助の“最後の砦”。ちなみに、救難ヘリの女性パイロットは、現実にはまだ存在しないが、制度的には解放されており、近い将来、誕生するかもしれないという。


UH-60Jとは:

航空救難団で使用されているヘリコプター。
速度、航続性能、捜索用センサー等における高性能を誇る(最大速度:時速277km、航続距離:1,295km)。
機長(操縦士)、副操縦士、フライトエンジニア、2名のメディック(救難員)の計5名が搭乗。

参考資料:航空ファン 2008年8月号
「よみがえる空-RESCUE WINGS」 http://www.rescue-w.jp/anime_intro.html