角川映画オススメシネマ映子の部屋-EIKO's ROOM-

今月のピックアップ・バックナンバー

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第9回「楽器を奏でる姿」

『ジャズ大名』筒井康隆先生原作。駿河の小藩に漂着した三人のアメリカ人が、音楽好きの大名と出会って起こる“ジャジー”な大騒動。随所で笑えますが、異文化をつなぐ音楽の強さに、ジーンとします。

音楽映画ではないですが、楽器を弾くシーンが印象的だったのは松竹の木下恵介監督『カルメン故郷に帰る』。盲目の音楽家を佐野周二が演じています。手を引かれ小学校のオルガンを弾きに来る姿が忘れられません。『二十四の瞳』では大石先生(高峰秀子)の代わりに、不器用な男先生・笠智衆が、こっそりオルガンを練習するシーンも、かわいらしくて好きでした。

鍵盤といえば、増村保造の監督デビュー作『くちづけ』で、川口浩がピアノを弾くシーンも素敵。80年代、TBS系でOAされた「少女に何が起こったか」という小泉今日子主演ドラマがありました。貧しいヒロインが弾くのは“紙の”ピアノ!増村保造が脚本・演出の一人だったことを知ったのは、大人になってから。石立鉄男の「この薄汚ねぇ、シンデレラ」は耳に残る名ゼリフでした。

『ベロニカは死ぬことにした』では、大人気の真木よう子がピアニストを目指し、挫折した女の子を演じています。

ピアノって、洋の東西を問わず、エロティックな楽器として描かれることが多いのかな。
仏映画では、イザベル・ユペール×ブノワ・マジメルの『ピアニスト』。ブノワはこの作品で、カンヌ国際映画祭主演男優賞を最年少で受賞。(柳楽優弥が『誰も知らない』ですぐ最年少記録を塗り替えたけど)。ちょっと変わった性癖を持つピアニストの過激なロマンス。女性誌では相当話題になりました。

フランソワ・トリュフォー監督の『ピアニストを撃て』。主演はシャルル・アズナブール。「機動戦士ガンダム」のシャア・アズナブルは、彼の名前をもじってつけられたとか。

『獣の戯れ』三島由紀夫原作、若尾文子主演の官能的文芸作品ではウクレレが登場。「馬鹿。ウクレレ先に取って行ったって私の身体はあげやしないよ」……すごいセリフだ。同じく三島原作「金閣寺」の映画化『炎上』、監督は市川崑。主人公・市川雷蔵とニヒルな同級生(仲代達矢)が尺八を吹くシーンは、原作でも屈指の名場面ですが、映画でもインパクトが強かったです。

黒澤明監督の『乱』。シェイクスピア「リア王」を、日本の戦国時代に翻案した作品。骨肉相食む時代に、野村萬斎(当時は武司)の笛が、無常に哀しく響きます。

来年もイイ映画にたくさん出会えますように。良いお年を!

ジャズ大名

製作年:1986年

チョンマゲ頭を叩いてみればニューオリンズの音がする。

くちづけ

製作年:1957年

真夏のある日の拘置所。青年・欽一と少女・章子の出会いは偶然だった。バイクに乗って海へと向った二人は魚のように泳ぎ戯れ、心を通わせあう。しかし、彼らの青春には陰もあった…。
増村保造の記念すべき監督デビュー作。

ベロニカは死ぬことにした

製作年:2005年

“私の世界には なんでもあるけど なんにもないの”
世界的ベストセラー作家パウロ・コエーリョの代表作が世界初の映画化!

ピアニスト

製作年:2001

ぼくは あなたがどんなに哀しい秘密を持っていても愛しています

ピアニストを撃て

製作年:1960年

獣の戯れ

製作年:1964年

放心の微笑で、妻と青年の情事を見つめる夫!人間を獣にかえる瞬間を描く衝撃の文芸映画!

炎上

製作年:1958年

誰も知らない! 誰も解ってくれない! 何故おれが国宝に火をつけたかを……

製作年:1985年

黒澤明、ライフワーク。