角川映画オススメシネマ映子の部屋-EIKO's ROOM-

今月のピックアップ・バックナンバー

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第68回「あなたの知らない「成田三樹夫の世界」」

私、大井利一が大映作品に魅力を感じせてくれたのが、市川雷蔵と成田三樹夫です。雷サマは今後も取り上げる予定ですので、しつこいと思われますが、今回も成田三樹夫にスポットを当てます。私は「ナリミキ」の愛称で呼んでいますので、以下その表記をさせてもらいます(一部では「ミッキー」とも呼ばれているそうです)。
ナリミキの経歴・悪役としての魅力は、第5053回をご覧ください。今回は、ナリミキが演じた「市井に生きる役」や「善人役」を演じた作品を紹介します。

先ずは『あゝ零戦』(’65)。太平洋戦争序盤において無敵を誇ったゼロ戦も、アメリカの物量作戦の前に、ジリ貧になっていきます。やがて、ゼロ戦は神風特別攻撃隊として編成されることになり…。ナリミキは、若き飛行隊を率いる飛行長・八木少佐役を演じています。

『貴様と俺』(’66)でナリミキは、稲垣ジム期待の新人・佃(田宮二郎)を鍛え上げる、かつての日本チャンピオン候補・新庄を演じます。貴重なボクサー姿が見られ、ナリミキの肉体美が堪能できます。

『海のGメン 太平洋の用心棒』(’67)は、金塊密輸団と対決する横浜税関審理課員たちの実話を基にしたアクション作品。ナリミキは、宇津井健演じる小日向班長をサポートする足立主任に扮します。どちらかというと密輸団側を演ずる事の多い氏が、どんな活躍を見せるのか、期待が持てます。

『里見八犬伝』(’83)は、滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」に新解釈を加えた鎌田敏夫原作「新・里見八犬伝」を深作欣二監督が映画化。ナリミキはラストにちょこっと出てきます。後北条氏を相手に戦い抜いた実在の武将・太田資正を演じています。

第53回でも紹介したテレビ映画「土曜日の虎」(’66)の原作は産業スパイ小説の第一人者・梶山季之。ナリミキ唯一の連続テレビドラマ作品の主演作品で、何と今回初ソフト化の運びとなり、ご家庭でご覧になることができます。主人公の津村公は一流電機メーカーで将来を嘱望されていたが、会社を辞め、企業コンサルタントを開業します。吉田隆子(江波杏子)と片桐七郎(工藤堅太郎)を従え、企業に巣食う悪を撲滅していきます。時には、社長の愛人清算の仕事を引き受け、右往左往するコミカルな一面も…。のちに、『柳生一族の陰謀』 (’78)で、ナリミキと工藤が、公家と柳生一族として対峙することを考えると感慨深くなります。

今月ご紹介した『あゝ零戦』『里見八犬伝』は当社からDVDを発売しています。「土曜日の虎」はベストフィールドから発売されています。

また、「京マチ子映画祭」が角川シネマ新宿で絶賛上映中です(順次全国上映する予定です)。こちらもよろしくお願いします。

あゝ零戦

製作年:1965年

若き命を不屈の斗魂を乗せ「零戦」はかく戦った!あの日あの時−青春のそべてを捧げて散った雲の果て!いま若者の心によみがえるゼロ戦の勇姿!

貴様と俺

製作年:1966年

リングは墓場じゃねえ! 起て! 黒い疑惑に挑戦する男と男!

若い時計台

製作年:1967年

喧嘩するたびに好きになる!すれちがうたびに熱くなる!四つの恋がハイジャンプ!

海のGメン 太平洋の用心棒

製作年:1967年

巧妙にして残酷な金塊密輸団の組織とテクニック!はじめて暴露された恐怖の実話!

里見八犬伝

製作年:1983年

星よ導きたまえ