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今月のピックアップ・バックナンバー

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第56回「触れてみましょう、「ステKI値!! 邦画図鑑」」

前回の「昭和キネマ横丁」に引き続き、松竹・東映・東宝・日活・KADOKAWA作品のブルーレイ/DVDが「監督」「出演」「ジャンル」「発売元」のキーワードから、自分の希望に合う作品が見つけられるサイトが「ステKI値!! 邦画図鑑」です。詳しくは公式サイトをご覧ください。
今回はその中のKADOKAWA作品から、大井利一がおススメする作品をご紹介します。

太平洋戦争のさなか、軍医として出征した青年医師が、粗末な設備しかない野戦病院で誤って感染病にかかってしまい、その為に愛する婚約者から黙って身を引く苦悩を綴った『静かなる決闘』(’49)は、菊田一夫の舞台劇「堕胎医」を原作に、黒澤明と谷口千吉がシナリオ化、黒澤明がメガフォンを取った作品です。三船敏郎が演じた青年医師・藤崎恭二の不器用な姿に、若かりし自分はもどかしさを感じましたが、ある程度齢を重ねてから見ると、その黙って身を引く不器用な愛に涙してしまいました。

『好色一代男』(’61)は、打って変わって命がけで人生を楽しみ、女性を愛し、ストレートに気持ちを伝える世之介の一代記。井原西鶴の代表作の一つを、増村保造×市川雷蔵のゴールデンコンビで映画化。当時のプレスに「女は抱くもの口説くもの! 女性遍歴に命をかけた男の一生!」とイタリアの種馬もビックリなキャッチコピーがありますが、まさにこの言葉通りの生き様を雷蔵さんが、色気と清々しさで演じ、一歩間違えば嫌味ったらしい世之介を突き抜けた爽快さを持たせました。「つまらん事で悩んでるなぁ」と思った時には、是非見ていただきたい一本です。

清々しい男の姿で言うと、『野性の証明』(’78)の高倉健も素敵です。大戦車隊相手に、娘の亡骸を担いで拳銃一丁で突撃する健さん姿に清々しさを感じない方はいないことでしょう。薬師丸ひろ子のデビュー作でも知られる本作ですが、その初々しい姿もご覧いただきたいです。見終わったら「レンジャー!」と叫びたくなる一作です。

ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞を受賞した『千利休 本覺坊遺文』(’89)は、井上靖の「本覺坊遺文」を原作に熊井啓が映画化、千利休切腹事件の真相に、弟子たちが回想によって明かしていこうとする物語。三船敏郎と萬屋錦之介の重厚な演技が圧巻! 漫画「へうげもの」主人公・古田織部を加藤剛が演じています。“漢”の姿を見たい方は是非!

可憐さをお望みの方には『おさな妻』(’70)をおススメ。母を失った女子高生が幼稚園の手伝いをするうちに、そこに通う園児に慕われ、次第にその父親に惹かれていく…。主人公を演じた関根恵子(現 高橋惠子)の可憐さは特筆もの。女子高生・妻・母、という3つの立場で揺れ動くさまは、いじらしいです。

一風変わった作品を方には『黒蜥蜴』(’62)をおススメ。江戸川乱歩の原作を、三島由紀夫が戯曲化し、天知茂主演でおなじみ「江戸川乱歩の美女シリーズ」の井上梅次監督が映画化。「美女シリーズ」に負けず劣らずの素っ頓狂な仕掛けが満載! ミュージカル仕立てという事で、京マチ子が、川口浩が、歌い踊ります。「♪くろ〜、とか〜げ」というメインテーマが耳に残ることでしょう。

今月ご紹介した全作品は、「ステKI値!! 邦画図鑑」でより詳しい作品内容が分かります。またご紹介した当社の作品は全てDVDを発売しています(『静かなる決闘』『野性の証明』はブルーレイも発売)。 「ステKI値!! 邦画図鑑」で、ステキな作品を見つけて、おうちで過ごすゴールデンウィークも乙なものではないでしょうか。

静かなる決闘

製作年:1949年

全日本の話題をこの一本に熱集して!映画界の革命児、黒澤明監督が放つ、待望の大映第一回作!!

忌まわしい病と闘う誠実な青年医師の苦悩。若き黒澤明の意欲作!

好色一代男  

製作年:1961年

女は抱くもの!口説くもの!女体遍歴に命をかけた男の一生

野性の証明

製作年:1978年

お父さん、こわいよ! 何か来るよ 大勢でお父さんを殺しに来るよ!

千利休 本覺坊遺文

製作年:1989年

太閤秀吉が最も恐れた男―。
戦国乱世、茶で刀に挑んだ男たちがいた。

おさな妻

製作年:1970年

私、あなたの妻になります。
だから・・・やさしくしてください。

黒蜥蜴

製作年:1962年

知恵と知恵! 変装と変装!
スリルと恋の一騎打!