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今月のピックアップ・バックナンバー

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第27回「『ヒーローショー』公開記念。井筒和幸監督作品を振り返る」

今年で監督生活35周年になる井筒和幸監督。その集大成である『ヒーローショー』が、5月29日から公開されます。
中途半端な日々を送る気弱なユウキの新しいバイトは、ヒーローショーの悪役だった。ある日、バイト仲間・ノボルが、ユウキの先輩である剛志の彼女を寝取ったことから、彼らはショーの最中に激しい殴り合いを繰り広げる。一度着火した暴力はとどまる勢いを知らず、剛志はユウキを、ノボルは自衛隊上がりの勇気を引き入れ、報復合戦の様相を呈する。同じ“ゆうき”という名前の2人にはいつしか奇妙な友情が生まれるが、次第に彼らの暴走はエスカレートし、ついには決定的な犯罪が起きてしまう。彼らの未来はどこにあるのか…。主演に若手お笑いNo.1のジャルジャルを迎え、ユウキを福徳秀介、勇気を後藤淳平が演じ、2人は見事その抜擢に応える演技を披露。若さゆえ、もがき苦しみ暴走してしまう若者を、井筒監督は徹底したリアリズムで描いています。
“青春”、“友情”、“バイオレンス”を痛いまでに表現した『ヒーローショー』をご期待ください!

今月は、『ヒーローショー』公開にあわせて、角川映画の井筒和幸監督の4作品を紹介します。

『晴れ、ときどき殺人』(’84)は、赤川次郎原作のミステリー作品。巨大コンツェルンの女会長の浪子は、他殺体を発見する。浪子は、アメリカ留学中の娘・加奈子を殺すと脅され、無実の容疑者が犯人だと偽証を強いられる。帰国した加奈子は、心労で倒れた母から事の真相を聞く。ほどなく他界した母の贖罪のために加奈子は真犯人を探すことになる。しかし、真犯人の魔の手は加奈子にも及び…。主役の加奈子を渡辺典子が演じ,同名主題歌も歌っています。

『二代目はクリスチャン』(’86)は、つかこうへいによる原作・脚本で、教会のシスターがヤクザの二代目になる、奇想天外なストーリー。老若男女に慕われている教会のシスター・今日子。そんな今日子に惚れたヤクザ天竜組のボンボン・晴彦は、涙ぐましい努力で見事今日子を射止める。しかし、結婚式と二代目襲名挨拶の日に晴彦は情婦・百合の恨みを買い、あっけなく命を落としてしまう。今日子は晴彦に代わって天竜組の二代目組長となる。天竜組と敵対する黒岩会の汚い手が教会の子供たちにまで及び、今日子の怒りは頂点に達し、長ドスを片手に黒岩会に殴りこむ…。主演はアクション女優から演技派女優として羽ばたいていた志穂美悦子。アクションは言うに及ばず、その確かな演技力で、本作は彼女の代表的な作品の一つとなりました。

西村望の「犬死にせしものの墓碑銘」が原作の『犬死にせしもの』(’86)は、瀬戸内海を舞台にした青春活劇。インパール戦線から帰還した重左と鬼庄は、戦後の混乱でまともな仕事に就けず、海賊稼業でそのエネルギーを発散していた。ある夜、襲撃した船に洋子という女が乗っていた。重左は洋子に心惹かれるが、洋子はヤクザに追われていた。重左と鬼庄は洋子を守るため、ヤクザ相手に壮絶な戦いにのぞむ。戦争直後の鬱屈とした若者たちの青春を、井筒監督が見事に描いています。

『宇宙の法則』は、地位もプライドも捨てて、自分らしく生きることを決意した一人の男の運命を描いた作品。機屋(はたや)の父と対立して故郷の尾張一宮を捨てた一流デザイナーの良明は、父の死をきっかけに故郷に戻る決心をする。しかし、母は機織の機械を売ってしまっていた…。愛知県一宮市在住の素人だったプロデューサーの「映画を作りたい」という熱意に井筒監督が応え、主人公の家をそのプロデューサー自身の家で撮影され、衣装や小道具などは家族や近所の人の実際の持ち物を借りるなど、日本家庭のリアリズムを追及した作品です。

今回ご紹介した作品は、全て弊社でDVDを販売しています。井筒和幸監督の監督生活35年をこれらの作品で辿ってみてはいかがでしょうか?

晴れ、ときどき殺人

製作年:1984年

この家には死体がいっぱい!

二代目はクリスチャン

製作年:1985年

てめえら!!十字を切って悔い改めやがれ。でねぇと一人残らず叩っ斬るぜ!

犬死にせしもの

製作年:1986年

戦争で拾った命、女にくれてやる!

宇宙の法則

製作年:1990年

時の流れの中で人の運命は変わらない。
やさしさと、苦悩、すべての宇宙の法則のごとく流されていく・・・。