角川映画オススメシネマ映子の部屋-EIKO's ROOM-

今月のピックアップ・バックナンバー

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第22回「スクリーンに映える、眠狂四郎(後編)」

市川雷蔵没後40年特別企画「大雷蔵祭」が角川シネマ新宿と、梅田ガーデンシネマで絶賛上映中(順次全国上映する予定) です。

前回に引き続き、「眠狂四郎」シリーズの作品で、1月上映予定の中から武一お薦めの作品を紹介します。

第7作『眠狂四郎 多情剣』は、4作目『眠狂四郎 女妖剣』で狂四郎に恨み骨髄の菊姫が再登場。菊姫は甲賀忍者を使って、狂四郎を抹殺しようとする。狂四郎に次々と仕掛けられた手の込んだ罠。また、狂四郎の協力者として、2人の侍が近づく。果たして2人の真の目的は? 特筆すべきは、劇中狂四郎の視点で狂四郎の足元が映されるシーンがありますが、これは雷サマ自らキャメラを回し、自分の足元を撮影したとのこと。当時の撮影現場スナップにも、笑顔でキャメラを手にする雷サマのお姿が拝見できます。

9作目『眠狂四郎無頼控 魔性の肌』は、江戸から京都までのロードムービー風作品。幕府の役人・朝比奈修理亮は、娘の肌と引き換えに狂四郎に黄金のマリア像の護送を頼む。狂四郎は、その条件に興味を覚え、また京都にいるという姉の存在を知らされ、依頼を引き受ける。その像を狙う邪教の徒・黒指党は狂四郎に手を変え品を変え、次々と刺客を送ります。そして、約束の地・京都で待ち受けた意外な真実とは? 狂四郎と同じ生い立ちである混血の黒指党の首領・三枝右近を、『ある殺し屋』で雷サマと抜群の相性の良さを見せた成田三樹夫が好演! みどころは、狂四郎の行く手を阻む黒指党のバラエティに富んだ罠、次々と登場する捨て身の女刺客たち。また、神を信じぬことで生きてきた狂四郎と、神を信じることで生きてきた右近の宿命的な対決も見もの。朝比奈を演じた金子信雄と、その妻を演じた木村俊恵は、後年『仁義なき戦い』で物語を引っ掻き回す山守夫妻役で再共演します。頭の片隅にその事を置きつつ、作品を見るのも面白いでしょう。

最後にご紹介は、その猟奇的な作風からカルト人気もある11作目『眠狂四郎 人肌蜘蛛』。狂四郎が母の墓参で立ち寄った甲府には、将軍の妾腹の子という権力をカサに、闘技場で村人を拷問の末いたぶり殺すなど暴虐の限りを尽くす土門家武・紫の兄妹がいた。その土門兄妹に目をつけられた兵吾が、転びバテレンの子という自らと同じ出自であると知った狂四郎は、兵吾の身代わりとして土門兄妹に敢然と立ち向かう。紫が繰り出す色仕掛けの罠を次々と見抜いた狂四郎だが、家武の奇襲により、毒矢を腕に受けてしまう。珍しく死を意識した狂四郎は果たして…。血に狂う家武を川津祐介が、情欲に狂う紫を緑魔子が熱演! 荒涼とした土地に建つ土門の館、村人を惨殺する鉄棒・毒矢など、趣向に飛んだセット・小道具も猟奇性を高めています。

他にも、中村玉緒が珍しく悪女を演じた『眠狂四郎 炎情剣』、狂四郎シリーズ生みの親・田中徳三監督が再登板し、小沢栄太郎・安倍徹の2大悪ボスが登場する『眠狂四郎 女地獄』、雷サマ最後の狂四郎となる『眠狂四郎 悪女狩り』など、まだまだご紹介したい作品がありますが、残念ながら字数制限で割愛させていただきます。

今月ご紹介した作品を含む雷サマの「眠狂四郎」シリーズ全12作品は、「大雷蔵祭」で全て上映されます。また、全作品DVD化もされています。しかし、シネマスコープの画面を最大限に生かしたカメラワークを楽しめるのは、やはり大スクリーン。この機会に劇場でシリーズ制覇をしてみるのも一興かと思います。

大雷蔵祭

製作年:

史上最大!100作品を一挙上映!
5年ぶりに、市川雷蔵がスクリーンに登場!

眠狂四郎 多情剣

製作年:1966年

罠と知りつゝ女体を抱き、背後に刺客の集団を斬る! 冴えに冴えたり円月殺法!

眠狂四郎 女妖剣

製作年:1964年

妖しく激しく迫る五つの肌! 抱かんとすれば、襲い来る必殺の拳法! 迫る忍者!

眠狂四郎 無頼控 魔性の肌

製作年:1967年

今宵また、抱いた女体に殺気が走る! 抱いて燃えず、斬って冷たし円月殺法!

眠狂四郎 人肌蜘蛛

製作年:1968年

狂四郎の生首がほしい! 犯せと誘う熱い肌! 生きてかえれぬ猟奇の館!地獄でみせる円月剣!

眠狂四郎 炎情剣

製作年:1965年

犯すもよし、斬るもよし! 冷たく冴える非情の瞳、キラリと光ったその一瞬!

眠狂四郎 女地獄

製作年:1968年

斬るもよし! 抱くもよし! 邪剣にひそむ魔女七人! 今宵ぬれるは、女か、剣か!!

眠狂四郎 悪女狩り

製作年:1969年

不義、私刑、同性愛… 情欲渦巻く“大奥”に円月殺法只今推参!