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今月のピックアップ・バックナンバー

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第2回「乙女心でクロサワを♪」


 今回は今年没後10年を迎える黒澤明監督。日本映画界が世界に誇る巨匠です。
4月からNHK-BS2で監督した全30作品を一挙放送中なので、ご覧になっていらっしゃる方も多いかしら。三船敏郎の白衣姿がセクシーな『静かなる決闘』、色彩が美しい『乱』、遺作となった『まあだだよ』
「黒澤映画は骨太で、男性ファンが多い」と聞きますが、今月は乙女心で黒澤作品を楽しんでみたいと思います。

 まず『羅生門』
敗戦から5年後の1950年に作られたこの作品は、ベネチア国際映画祭で金獅子賞を、さらに52年アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞し、敗戦国日本に希望を与えたとされています。ベネチア国際映画祭50周年を記念し、82年には「グランプリの中のグランプリ」としてさらなる栄誉に輝きました。乙女としては、三船敏郎演じる野性的な盗賊・多襄丸が好きか、それとも森雅之の冷たい視線が忘れられないか、好みを語り合うも楽し。

 黒澤明脚本作品も紹介しておきましょう。
『土俵祭』、『日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里』、そして映子の大好きな『殺陣師段平(たてしだんぺい)』。出演は中村鴈治郎(二代目中村鴈治郎・中村玉緒の実父)と市川雷蔵(“雷様”と呼ばれた銀幕の大スター。37歳の若さで亡くなりました)。雷様が演じるのは実在の人物・沢田正二郎、若きインテリ演劇人。時代遅れの殺陣大好き男・市川段平を中村鴈治郎が演じます。沢正(さわしょう)が求める新しい殺陣を、不器用ながら必死に理解しようとする段平。この作品ではメガネをかけた雷蔵が見られます。いつにもまして素敵。

 黒澤作品でメガネといえば、社会派サスペンスの傑作『悪い奴ほどよく眠る』(東宝)。三船のメガネ&スーツ姿が堪能できます。
映子のおススメは、大作や受賞作の間で奥ゆかしく輝く『一番美しく』(東宝)。「自作の中で最も愛らしい映画」と監督もおっしゃっていたとか。戦中に作られた、軍需工場の女子たちのお話。涙が止まらない、ガーリー<girly>ムービーです。
『醜聞(スキャンダル)』(松竹)もいいです。新進画家の三船と声楽家の山口淑子(李香蘭)。ふたりの熱愛をでっちあげたパパラッチに毅然と立ち向かう姿が男らしく、オートバイが似合いすぎの三船。

 『隠し砦の三悪人』(東宝)もリメイクされました。雪姫は今の言葉では「ツンデレ」っていうのでしょうか。


 それではまたお会いしましょう、ごきげんよう!

静かなる決闘

製作年:1949年

全日本の話題をこの一本に熱集して!映画界の革命児、黒澤明監督が放つ、待望の大映第一回作!!

忌まわしい病と闘う誠実な青年医師の苦悩。若き黒澤明の意欲作!

製作年:1985年

黒澤明、ライフワーク。

まあだだよ

製作年:1993年

心温まる師弟の交流を描く巨匠・黒澤明の最後の監督作品。

羅生門

製作年:1950年

映画史上に燦然と輝く日本映画の至宝! 黒澤明監督の代表作
私はこの映画でムツカシイことを言おうとしているのではありません…。
どうかこの映画をムツカシク見ていただかない事を希望します。
                                  1950年 黒澤 明

土俵祭

製作年:1944年

相撲を題材にした黒澤明脚本のスポーツ青春映画

日露戦争勝利の秘史
敵中横断三百里

製作年:1957年

日露戦争勝敗の鍵を握って露軍百万の真っ只中を突破する、挺身斥候隊の決死行!

殺陣師段平

製作年:1962年

立ち廻りに命を賭けた殺陣師の生涯。黒澤明脚本の芸道もの。