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今月のピックアップ・バックナンバー

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第11回「若尾文子 この“人妻”がすごい!」


 新宿で増村保造監督・中後期傑作選を2月6日(金)まで上映中。
増村保造監督と言えば、ヒロインは若尾文子ですよね。映画黄金期に大映の看板スターだったわけですから、作品数も多いです。

 その中から映子が独断と偏見で選んだ、若尾文子出演作のキーワードはズバリ“人妻”!

 娘役時代も捨てがたいので、また機会を見つけてまとめたいのですが、人妻を演じるとき、このひとの美しさは倍増すると思います。独特な鼻声もぐっと来ますよね。文芸調の作品も多いせいか、官能的でありながら品があり、男性ファンだけでなく女性たちからも共感と圧倒的な支持を得られるのが、若尾文子が演じるキャラクターの特徴かもしれない。


 『妻二人』お嬢様育ちで貞淑な妻(若尾文子)VS夫の昔の恋人で奔放な女(岡田茉莉子)。彼女たちが殺人事件に巻き込まれていくというサスペンスタッチのお話。

 『氷点』養女役の大楠道代をねちっこくいたぶる奥様役。怖いです。

 『清作の妻』日露戦争時代の寒村が舞台。夫を戦争にやるまいと、狂気に走る妻。後れ毛が色っぽい。ある意味純愛といえるかも。

 美貌と翳で、若い男の子たちを翻弄する役がはまり役かもしれない。

 『越前竹人形』若尾文子が演じるのは元遊女。その昔ご贔屓筋だった男の息子である若き竹細工職人に迎えられ、妻となるが、なぜか夫は自分の肌に触れようともしないというちょっと異色の恋愛ドラマ。

 『妻は告白する』苦学生時代、求婚してきた年配の教授と結婚し、長年の不幸な夫婦生活に耐えてきた女が主人公。北穂高へ出かけた夫、青年と三人は遭難、ザイルが妻に決断を迫る!翻弄される青年・川口浩がひたすら可愛い。

 『濡れた二人』お相手はワイルドな漁村の若者・北大路欣也。都会的なけだるさを漂わせていた女が、自然のなかで本能に目覚めてゆく話。

 『獣の戯れ』いかにも三島由紀夫原作の、倒錯した夫婦関係。それを見せ付けるような態度に、一緒に暮らす若い男子当惑という作品。

 翻弄されるのは若い子だけではありません。

 『瘋癲(ふうてん)老人日記』。嫁(若尾文子)と舅(山村聰)の禁断の関係…。原作は谷崎潤一郎。今でもビデオが売れているロングセラーらしいです。判る気がする。


 若尾文子がもうひとつ魅力的なのは「日陰者」である、愛人を演じたとき。ちょっとダメな女の子って感じで、ほっておけない魅力が花開きます。これも数が多いのでまた別の機会に!

 それではチャオ♪

妻二人

製作年:1967年

自らを厳しく律する凛とした女と、愛に全てを賭ける情熱的な女。若尾文子と岡田茉莉子の二大女優が共演。

氷点

製作年:1966年

忌まわしき出生の秘密を持つ娘とその家族の愛憎を描く文芸作品。

清作の妻

製作年:1965年

やっとつかんだ女の幸せを戦場が奪い去ろうとする・・・
妻はふるえる手で夫の目を狙った!

越前竹人形

製作年:1963年

恋い、慕い、求めながら、妻であるその肌にふれず・・・
雪国に哀しく描かれる異常な純愛!

妻は告白する

製作年:1961年

夫を殺すか、愛人を救うか!一本のザイルが妻に愛情の決断をせまる!

濡れた二人

製作年:1968年

若尾文子と北大路欣也という新しい顔合わせを得て、男と女の間にうずまく情熱を増村保造がダイナミックに描き出す。

獣の戯れ

製作年:1964年

放心の微笑で、妻と青年の情事を見つめる夫!人間を獣にかえる瞬間を描く衝撃の文芸映画!

瘋癲老人日記

製作年:1962年

官能文学の原点・谷崎潤一郎の耽美の世界!
エロスの極地をえぐる問題作を木村恵吾が完全映画化!