2010年04月15日

角川映画 原版通信 Vol.4

撮影から原版の仕上がり~上映までのプロセス

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今回は、撮影から原版の完成・上映までのプロセスを大まかに説明します。

「原版」の定義・意味・用語については、原版通信vol.2をご覧ください。
映画は「光の魔術」と言われる様に"陰(ネガ=negative)"と"陽(ポジ=positive)"の関係で成り立ちます。ネガ(原版)があって始めてポジ(上映用プリント)が出来るのです。Vol.2でもお話しましたが、ネガを複製するにはネガからネガへのコピーは直接出来ず、ネガ→ポジ→ネガという関係で複製が出来ます。逆も又しかり、ポジ→ネガ→ポジになります。
このネガとポジを見分ける方法の一つに「パーフォレーションを見る」ということがあります。パーフォレーションとはフィルムの横(35mmフィルムでは両横)にある穴です。これはフィルムを回す際にひっかける穴ですが、「ネガ目」と「ポジ目」の2種類(写真参照)あります。

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両者とも長方形ですが、この写真の穴を見比べると「ネガ目」の方がより楕円状になっていることが分かると思います。

さて、映画の撮影から上映までのプロセスですが、銀塩写真の撮影から写真の受け取りまでに似通う部分もあります。先ず、何も記録されていない生ネガフィルムを感光させること(撮影)により、ネガに映像が記録されます。そのネガを現像処理することで上映用プリント(ポジフィルム)が出来ます。この一連の流れは、写真で言うところの撮影フィルム(ネガ)を現像所に出して、同時プリント(ポジ)を受け取るまでの動きをイメージしてください。

映画を写真に例えて説明しましたが、映画と写真では大きな違いがあります。写真は1枚(1コマ)で画像として完結できますが、映画は24コマかけて1秒間を記録し、この連続により始めて映像になります。

映画フィルムの基本構造ですが、赤・青・緑などそれぞれ分かれた「エマルジョン(写真乳剤)」と呼ばれる感光層をフィルムベースの上に重ねて塗布された物です。このエマルジョンは、生産される時期や環境の変化でその品質に影響を及ぼします。同じフィルムタイプでも同様のことが起こります。こうしたことから、映画フィルムは「生き物」と例えられたりもします。

また映画の撮影用カラーネガフィルムには大きく2種類あり、太陽光の直射状態の下で撮影する時(主にロケなど屋外)に使う「デイライトタイプ」と、人工光の下で撮影する時(主にスタジオ内など屋内)に使う「タングステン」に分けられます。

銀塩写真でも撮影した写真が「場所、時間、天候、時期」などによって仕上がりがバラバラだったことがあるかと思いますが、映画でも撮影条件の違いで明るさや色にバラツキが生じます。映画は、元となる光の種類でフィルムを選ばなくてはならないように、そのバラツキは顕著です。こうしたバラツキのある撮影されたままのネガフィルムを単純に現像すると、カット毎に明るさや色が変わり、非常に見にくい映像になってしまいます。1本の作品として見やすい映像にするには、「タイミング」という処理をします。これは映像の明るさや色を一定に整える作業です。

この後の作業は端折りますが、CGなど合成処理やOKカットを繋いだりする「編集」、セリフや音楽をつける「ダビング」をへて"画ネガ""音ネガ"の「原版(オリジナルネガ=ON)」が完成されます。このONから焼いた完成プリントが"初号プリント"です。このプリントを試写する"初号試写"で作品全体の仕上がりを確認いたします。
ここで問題があれば再度編集作業を行い、問題が無ければこのONを元にマスターポジ(MP)・デュープネガ(DN)を起こし、DNから上映用プリントを焼き増しします。

以上が撮影から原版の仕上がり~上映までのプロセスを駆け足で説明です。ご説明したようにフィルムは「生き物」ですので、その保管には細心の注意が必要になります。しかし、保管さえしっかり行えば一世紀はその命が保障されます(一部には「500年大丈夫」と唱える説もあるようです...)。今回は文字数の制限もあり、細かい作業の説明を省きました。もっと詳細な流れを知りたい方は、各現像所のホームページなどをご覧頂くと、良いでしょう。
(参考資料「IMAGICA CM First BOOK」)
(こちらのブログでお送りする『原版通信』は再編集版です)


投稿者:ねじまき

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