羅生門 デジタル完全版

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映画史上に燦然と輝く日本映画の至宝! 黒澤明監督の代表作
私はこの映画でムツカシイことを言おうとしているのではありません…。
どうかこの映画をムツカシク見ていただかない事を希望します。
                                  1950年 黒澤 明

Introduction -イントロダクション-

 「羅生門」は1950年、大映が黒澤明監督により三船敏郎、京マチ子、森雅之等を主演に製作した時代劇大作。その強烈なテーマ、独特の映画手法によって公開時、大きな話題と注目を集め、1951年のヴェネチア国際映画祭によって最高の栄誉であるグランプリを獲得し、次いで、同年度のアメリカのアカデミー外国映画賞も獲得、一躍「羅生門」は世界の脚光を浴びるに至った。

 この映画の舞台となる王朝末期は戦争、地震、疫病、火事が毎年のように続き、盗賊が各地を荒らしまわっている時代であった。黒澤監督はこうした時代を背景に、盗賊、女、その夫、杣売、下人、旅法師など八人の人物を登場させ、一つの殺人事件をめぐって、人間愛欲の極地を鮮烈に、しかも痛烈に描きながら、一人、一人の人間のリアルな心理と行動を鋭く掘りさげてみせた。「羅生門」の原作は芥川龍之介の“藪の中”。黒澤明と橋本忍が脚色に当った。

 この映画が、観る人たちに大きな感動を与えるものは、その強烈なテーマと鋭い演出力からくる凄まじい迫力だが、黒澤演出に応えたスタッフの功績もまた見逃せないものがある。撮影宮川一夫、録音大谷巌、美術松本崇、照明岡本健一のスタッフは日本映画を代表する第一人者揃いだが、彼等によってつくられた一コマ一コマの画面は、水々しく、生き生きとし、類いないコントラストの妙を発揮して全篇を常に緊張した雰囲気のうちに保っている。また、音楽の早坂文雄は日本映画に数々の名作を遺した人だが、「羅生門」においても東洋的作風の中に西洋のリズムを取り入れた独創的な作曲を試み、すばらしい成功をおさめた。
 また、三船敏郎のスクリーンを圧倒する豪快でしかもダイナミックな演技と京マチ子の奔放な演技からあふれる新鮮な魅力。この二人に加えて森雅之、志村喬、加東大介、千秋実、上田吉二郎、本間文子などベテランの心憎い演技もまた、この作品を成功させた要因の一つである。

 映画「羅生門」は、その意味でも映画という一つの総合芸術の見事なる完成品であり、永久に銘せられる作品である。