Introduction -プロダクションノート-

1.<ハリウッド版製作へのチャレンジ!!>

 製作のジェニー・ルー・トゥジェンドは、日本のヒット映画『着信アリ』について、こう語った。「ゴースト・ストーリーは世界共通だと思うの。誰かが現世に未練を残して亡くなって……というアイデアは国や文化を越えて理解できるものです」
『着信アリ』をアメリカ版の脚本にするため、製作者たちは小説家で脚本家のアンドリュー・クレイヴンに目をつけた。Jホラーのファンでもあるクレイヴンがこう回想する。「製作のスコット・クルーフが日本版のDVDを送ってくれたんだ。その時は旅先だったから、パソコンで鑑賞したよ。途中で怖くて思わず両手で目を塞いだんだ(笑)……でも指の間から観ていたけどね。早送りしたい気持ちはあったけど、マジに魅了されてしまったね」

 クレイヴンのチャレンジのひとつは、オリジナルに忠実にしつつ、西洋的なストーリー構成に修正することだった。「オリジナル版『着信アリ』のテーマは、言葉や文化の壁を超えている一方で、日本の都市伝説や独特な超常現象を知っている観客を対象にしている。これだとアメリカ人には分からないんだ」

 これにクルーフがつけ加えた。「日本版のテーマに忠実に沿いながらも、アメリカの観客を楽しませる感覚が必要で、その両方を汲み取れる監督を探すことが必要でした」
「監督を探している最中、『マレフィク 呪われた監獄』のフランス人監督エリック・ヴァレットを知ったの。この映画は、監獄の囚人たちが一冊の呪いの本を見つけ、それを脱獄に利用しようとする。でも予定通りいかないのよ。シンプルな設定でストーリーを巧妙に展開させるエリックの才能に驚いたわ」とトゥジェンドが語ってくれた。

 アメリカ映画を初監督するフランス人エリック・ヴァレットは言う。「本作には僕が愛する70年代のホラー映画の感触があった。キャラクター重視のストーリーで予想できない展開が待ち受けている。と同時にストーリーは、誰もが持っている携帯電話をテーマにした現代的なもの。携帯電話と怨霊、このアイデアは非常にシンプル。でも僕がこの企画に魅かれたのは、ストーリーの奥深さとそこにある普遍的なテーマだったんだ」

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2.<理想的な主演のキャスティング!!> 

 心理学の学生ベス・レイモンドを演じるのはシャニン・ソサモンである。「ベスは表面的には自制心のある女性よ。優秀な生徒でいい友達もいる。友達のために尽くすような人よ。でもベスの心の中には大きな苦悩があって、怨霊はベスをその心の内なる悪魔=苦悩と対峙させようとするの」とソサモンは語る。

 監督のヴァレットは、「シャニンがベス役の候補者リストのトップだった」と断言する。「『ルールズ・オブ・アトラクション』を観て、この役に完璧だと思った。素晴らしい女優だし、ベス役に不可欠な繊細さも理解していた」

 シャニンが本作に興味を抱いたのには、幾つかの理由があった。「よく練り上げられた脚本だと思ったの。携帯で誰とでもつながっている時代なのに、皮肉にも実はそうじゃないというテーマが気に入ったのよ」

 妹の不可解な死を探るジャック・アンドリュース刑事だけが、ベスの言葉に耳を傾ける。演じるのは、実際の家族にNY市警の警察官が多いエド・バーンズだ。「僕の父、叔父、5人の従兄弟、子供の頃からの親友3人が警察官。だから僕にとって馴染みのある世界だよ」と。さらにつけ加え、「ストーリーの中で描かれるベスとジャックの関係は、古き良きハリウッド映画にあるような関係だね」

 自身も映画監督であるバーンズは、『マレフィク 呪われた監獄』を観ていたため、ヴァレットとの仕事に興奮した。バーンズは、「役者としても監督としてもホラー映画は未経験だったから、この手の映画の演出を学ぶためにも、監督がやる全てのことから目が離せなかった。緊迫感や不気味さを作り出す彼の演出方法には、上品さとメソッドがあったね」

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3.<恐怖のヴィジョンの具現化>

 監督のヴァレットは本作のヴィジュアル面のアプローチをこう語った。「ザラザラしていてリアル、ダークで虐げられた感じだ。微妙な音響効果と照明の変化でゾッとするような抑制感を出しているよ。肌で感じるようなキメの細かな雰囲気を作りたかったんだ」

 監督は一番重要な怨霊のような幻覚のデザインにも入念な注意を払い、幾つものアイデアを出し、デザイナーと共に数ヶ月をかけて最高に恐ろしい幻覚作りに挑戦した。

 特殊メイクのブライアン・ウォルシュが語った。「この映画のメイクアップ効果は重要な要素。僕らが作ったキャラクターのほとんどが徹底的にグロテスクではないけど、その代わり、他のどんなものよりもショッキングで身の毛もよだつ姿をしているんだ」

 製作のジェニー・ルー・トゥジェンドがつけ加えた。「監督のエリックは、幻覚の姿にゾンビや悪鬼のようなものは求めなかったの。<過去になくて不気味なもの、それで不快を感じさせるもの>を強調していたわ」

 監督は、幻覚の姿にアンティークの磁器人形のような様相を醸し出すことで超常現象の具現化を実現させた。ウォルシュは、「磁器人形には特有の不気味さがある。ゾッとするほど滑らかで青白い。さらに顔の表面の下に動きをつけて怖さを出し、そのうえ表面に亀裂を作って広がるようにしたのさ」と語った。

 撮影は2006年7月後半からスタートし、ジョージア工科大学のキャンパスを含むアトランタ各地で撮影した。監督のヴァレットがこう締めくくった。「あとは、この映画が観客を飛び上がるほど怖がらせることができて、そのうえ着信を取り損なうたびに、この映画を思い出してくれることを祈っているよ」

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