Introduction -イントロダクション-
それは一冊の本からはじまった。
主人公ウォルターが手にした一冊の本。その物語は、背筋のぞっとするような殺人ミステリーだった。自らの生い立ちに酷似した内容と、まるで何かを暗示するように度々挿入される“23”という数字。読み進むうちに、小説の中の出来事が現実の世界とリンクしはじめ、周囲では次々と事件が起こり始める。そしてそれは、決して単なる偶然ではないことを知る──。数字“23”にとり憑かれたウォルターは、妻や息子、そして友人をも巻き込んで、小説に隠されたメッセージを解読する危険に身を投じてゆく。その謎をウォルター自身が解き明かさない限り、自分と、そして愛する者たちの未来を守れないからだ。
脚本は、これがデビュー作となるファーンリー・フィリップス。「本を読んだり映画をみたり、あるいは演劇を観たりしているとき、その中に、自分の実際の人生とそっくりな人物が登場したり出来事が起こったりしたら、言葉に出さなくとも、きっと誰でもゾっとすることだろう──」そんな着想を出発点に、さらに〈「ダ・ヴィンチ・コード」のベースになった陰謀文学の傑作〉とも評されるロバート・アントン・ウィルスン著「イルミナティ三部作」から、“23という数字のもつ神秘性”を、物語の重要な鍵として取り入れた。23の謎は、古くから文化として語られてきた経緯があり、かの作家ウィリアム・S・バロウズもその謎にとり憑かれた人物である。膨大な資料を読み漁り完成されたその内容は、ラストを隠すため全世界でノベライズ本の発行が禁止されたほど洗練されて衝撃的。そのオリジナリティが評価され、『ロード・オブ・ザ・リング』等で有名なニューライン・シネマで映画化が決定した。次回作はブライアン・シンガーとタッグを組む予定である。
プロデューサーは、『エミリー・ローズ』『守護神』のボー・フリンとトリップ・ヴィンソン。監督は『バットマン』シリーズ等のブロックバスター・ムービーから『オペラ座の怪人』など批評家絶賛のクオリティ・ムービーまで幅広く手腕を発揮するハリウッドのヒットメイカー、ジョエル・シューマッカー。奇妙なことに、本作は彼の23作目となる。彼のもとに、才能あるプロダクション・チームが結成された。撮影監督は『インサイド・マン』『ファウンテン 永遠につづく愛』のマシュー・リバティーク、美術に『ソードフィッシュ』『60セカンズ』のアンドリュー・ロウズ、衣装デザインには『ダ・ヴィンチ・コード』『シンデレラマン』のダニエル・オーランディが起用された。編集はマーク・スティーブンス、作曲は「現在、ハリウッドで最も仕事の依頼の多い作曲家」の異名を持つ、『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』『デジャヴ』等のハリー・グレッグソン=ウィリアムズがあたり、ダークで胸騒ぎがするような地獄絵巻を、見事にスクリーンに体現した。
主演は『トゥルーマン・ショー』『ブルース・オールマイティ』の世界的スーパースター、ジム・キャリー。『バットマン フォーエヴァー』でも、ジョエル・シューマッカー監督と一緒に仕事をしている。「今までの映画とは違う、何か新しいことに挑戦するようなアイデア」──この作品のオリジナリティは、長年ジムが捜し求めていたものだったのだ。そして観客はこの作品で、今までに見たこともないようなハードでクールなジム・キャリーを目にするだろう。さらに『サイドウェイ』でアカデミー賞にノミネートされ、『ファイヤーウォール』ではハリソン・フォードとの共演が話題となったヴァージニア・マドセンと、『アビエイター』『21グラム』のダニー・ヒューストンが、素晴らしい演技で脇を固める。
一冊の本から物語は始まり、謎が謎を呼び衝撃の結末を迎える。
全世界を震撼させたサスペンス・ミステリーがいよいよベールを脱ぐ!
23エニグマ
「23エニグマ」と呼ばれる謎の体系は、まずもって前述ウィリアム・S・バロウズによる不吉な啓示としてたち現れる。バロウズは新聞の切り抜きや様々なリサーチから、世界の随所に現れる23の奇妙な符号を報告している。しかし「エニグマ」の核心は、統計データに現れる記録のみにあるのではない。むしろ、23の不思議に取り憑かれた人々は、実生活においてこの数字に意識を向けた途端に、なぜか頻繁に「23」が現れ始め、それでいてその意味するメッセージは常に不明瞭で混沌としている、という魔術的な一面こそを強調する。これは現代の我々にも、容易に体験できる。試しに、この映画を観た後、日常に現れる「23」を意識して採集してみるといい。何気なく坐った席が23番シートであったり、ふと手にした、さして重要でもない書類の通し番号が0023であったり……これらは、心理学的には「アポフェニア」と定義される心理現象としても説明され得るのだが、果たして純粋に心理的な錯覚に過ぎないのか、もっと謎めいた「符号」の発見なのかは、あなた自身の体験で確かめていただきたい。
以下は、「23エニグマ」の例である。
・フィリップ4世がフランス全土においてテンプル騎士団のメンバーたちを一斉に逮捕したのは、1307年10月13日(10+13=23)。
・ジュリアス・シーザーは暗殺時、23回刺された。
・ラテン語のアルファベットは、23文字で構成されている。
・ヒトの生殖細胞に含まれる染色体は、23本。また、人間の性を決定づける遺伝子は、第23番目遺伝子である。
・血液が体全体を巡るのに必要な時間は、23秒。
・古代エジプト・サマリア暦は、7月23日から始まる。
・地球の地軸は、公転面に垂直な方向から23.5度傾いている。
・タイタニック号の沈没 1912年4月15日(1+9+1+2+4+1+5=23)
・英・劇作家、詩人のウィリアム・シェイクスピアは、1564年4月23日に生まれ、1616年4月23日に他界した。
・ナチス・ドイツ初代総統、アドルフ・ヒトラー自殺 1945年4月(1+9+4+5+4=23)
・古代マヤ人が信じた世界の終末 2012年12月23日。
・カルト集団「The Family」のリーダー、チャールズ・ミルズ・マンソンの誕生日 11月12日(11+12=23)
