ミス・ポターMiss Potter
ピーターラビットの生みの親、ビアトリクス・ポターの半生を描く感動のトゥルー・ストーリー。レニー・ゼルウィガー、ユアン・マクレガー主演作!世界中の女性に贈る感動のラブ・ストーリー。
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Introduction -プロダクションノート-
知れば知るほど、ビアトリクス・ポターにのめりこんでいった主演女優と監督
レニー・ゼルウィガーは、「『ミス・ポター』の台本を初めて読んだ時、ビアトリクス・ポターがどんな人間なのか、とても明確にイメージが浮かんだの。彼女の豊かな少女時代が、大人になるために彼女に何を与えたのか、よく理解できたわ」と語る。イングランドが誇る作家で芸術家のポター役を引き受けた瞬間から、レニーの発見の旅が始まった。ポターが生み出したピーターラビットと仲間たち、そしてポター自身について、自ら忠実にリサーチしたのだ。
「レニーの演技は彼女の自発的なリサーチによるもので、特別な指導もしていないし、リハーサルを重ねたわけでもない」と監督のクリス・ヌーナンは振り返る。「ポターについて調べれば調べるほど、人々が想像するよりも遥かに進歩的な考え方の持ち主だったとわかり、レニーはますます深い演技を見せてくれた。ポターの名前を聞いて、すぐにフワフワのぬいぐるみや、赤ちゃん用のお皿を想像する人は、そのギャップにかなりショックを受けると思う。ポターは無限大の創造力を持ったアーティストで、独立心が強く自由な精神の持ち主で、どの世代にも永遠に受け継がれる著作を遺した。また、湖水地方の広大な自然を国に遺し、ナショナル・トラストの前身を後世に遺した。ポターだからこそ、湖水地方を100年前と同じ姿で現代に残すことができたのだと断言できる」
一方、レニーはヌーナン監督について次のように語っている。「プロデューサーがクリスに監督を依頼したのは、正しい選択だったと確信しているわ。脚本を読めば誰でも、これが実話だなんて信じられないと思うの。ビアトリクス・ポターという女性は、本当にこんなにカラフルな人生を浮いたり沈んだり、していたの?ってね。メロドラマ風の監督を連れてきたら、もっと甘ったるい映画になっていたと思うわ。クリスは、抑えた演出で誠実なドラマを撮れる人よ。フェアリーテールよりもリアリティを求めるタイプね。あるシーンの撮影の時に、クリスに『ありきたりになっていたら、言ってね』ってお願いしたの。そしたら彼は、『冗談じゃない、僕は絶対にありきたりな映画なんか撮らないよ』って。明確なヴィジョンを持ったクリエイターと一緒に仕事するのは、とても素晴らしいことよ」
監督の“プロポーズ”が実った、最高のキャスティング
「役者をキャスティングするのは、プロポーズと同じなんだ」と語るヌーナン監督は、ミス・ポターの恋人で編集者のノーマン・ウォーンに、ユアン・マクレガーを選んだ。ユアンとレニーは、以前にも『恋は邪魔者』で共演、意気投合した。「ユアンは性格もよく、チャーミングな役者だ。ノーマンの持つ人格そのものだった。今回は少し不器用な男として演じてもらった。レニーとの相性は抜群だったよ」
アカデミー賞に2度ノミネートされているエミリー・ワトソンが演じるのは、ノーマンの姉で、ポターの親友になるミリー・ウォーンだ。エミリーにとって、娘を産んでから最初の映画出演となった。ヌーナン監督は、「こんなに素晴らしいキャストに恵まれるなんて」と興奮して話す。「彼らとはいつか一緒にやってみたいと思っていた。最初の打ち合わせで、キャラクターに対する僕の世界観と、彼らの世界観を意見交換した時、なんて僕はラッキーなんだろうって思わず口にしたくらいだ。僕が敬愛する映画に出ている役者たちが今、目の前に座っている。信じられない光景だったよ」
時代考証・衣裳・舞台──
すべて本物にこだわったスタッフたち
美術監督のマーティン・チャイルズは、大きな変革があったこの時代を綿密にリサーチしたと語る。「家電製品が当たり前になり、家庭のインテリアが激変した。ポターの子供時代はオイルやガスで灯りをともしていたが、大人になった頃は電気に取って代わられた。同じように家の外でも革命が起こった。ポターが子供の頃には、まだ車は登場していない。こういった小さなことが、時代設定には大切なアイテムになるんだ」
衣裳デザインには、アンソニー・パウエルが参加した。「ポター家だけではなく、当時の上流社会の背景について、とてつもない量のリサーチをしたよ。ポターの衣裳は、ひたすらシンプルにした。彼女はしきたりや、周りが自分に何を期待しているかなんて、まるで気にしなかったと思う。教養ある人間として育てられたから、薄汚い格好で銀行の支配人や編集者に会いに行ったりはしないけれど、当時の一般的な女性のようなフェミニンな格好もしなかったはずだ」とパウエルは分析する。幸運にもパウエルは、オリジナルのアンティークの服や、その上質なコピーをたくさん所蔵していた。「ヌーナン監督と最初に打ち合わせをした時、こう言ったんだ。ドキュメンタリーとしてクオリティの高い映画にしてもらいたいってね」
美術監督のマーティン・チャイルズはマン島での撮影にこだわり、雨やみぞれや雪に見舞われながらも、ついにマン島にポターの家を建設した。「他のどこでもない、ここしかないという場所は必ず存在する。『ミス・ポター』の場合、スタジオではなくマン島で撮ろうと決めた」とチャイルズは語る。
ポターが両親との約束を守ってひと夏ロンドンを離れることになり、見送るノーマンに別れを告げるシーンは、かの有名なブルーベル鉄道で撮影された。まだ蒸気機関車が全盛だった頃の鉄道で、現在では観光客専用になっている。
その他、ノーマンの屋敷の外観には、ロンドン西の郊外にあるアン女王の荘厳な屋敷が、ノーマンの家族とポターがお茶をする庭には、キングストンテムズの温室が使われている。また、ポターがノーマンと共に絵本の色をチェックしに行く印刷所には、タイプライターや印刷の歴史が展示されているタイプ・ミュージアムが使われた。このシーンには本物の印刷職人が出演、その中の一人は、実際にフレデリック・ウォーン社から依頼されて、ポターの本を印刷したことがある経験者だ。
ナショナル・トラストの全面的な協力を得た湖水地方での撮影
撮影の最後の2週間は、ポターが人生のほとんどを過ごした湖水地方で行われた。一大叙事詩のラストにふさわしいロケーションである。ポターは土地や建物をナショナル・トラストに寄贈しているので、当然ながらナショナル・トラストの協力が必要だったのだが、スタッフのどんな細かい要求にも全面的に応えてくれた。
実は、彼女が最初に住んだ家であるヒルトップは、映画の撮影には適さなかった。そのため撮影は、ポターのもう一つの家であるユー・ツリー・ファームで行われた。美術監督のチャイルズはこう説明する。「ヒルトップも十分に素敵だったのだが、有名すぎて観光客が世界中から押し寄せて来ていたんだ。ポターのファンのためにも、長い撮影の間ずっとその家を閉めるわけにはいかなかったんだ」乾いた石の壁が作られ、様々な植物が植えられたキッチン・ガーデンが作られ、コテージは白い砂の色に塗り替えられ、玄関の周りにポーチが丸く施され、窓には牧草地の柵がつけられ、ユー・ツリー・ファームは見事にヒルトップへとリメイクされた。ユー・ツリー・ファームに住んでいたテナントは、何週間も家を空けてくれ、撮影後も乾いた石の壁をそのままにしたいと申し出るなど、とても協力的だった。
チャイルズはこう語る。「湖水地方は、本当に奇跡のロケーションとして十分な役割を果たした。天候にも恵まれ、撮影は黄金の光の中で行われた。おかげで、ポターがなぜ、イギリス中で最も美しいこの場所に、あんなにまでも平和を求めたのか、誰にでもすぐに理解できるようなシーンが撮れたと思う」
湖水地方を守ったポターを演じたレニーは、こう語っている。「ポターは偉大なるナチュラリストで、素晴らしい女性だわ。とても頭がよくて、とにかく多才なの。そんな彼女の本当の姿は、あまり世間に知られていないわ」しかし、今ようやくこの映画によって、ポターの真の魅力が全世界に伝えられようとしているのだ。
ナショナル・トラストとは?
19世紀末、産業革命の影響で自然破壊が急速に進んでいたイギリスで、美しい自然や歴史的建造物を守ろうと立ち上がった3人の市民によって始められた。その後、市民からの寄付金や寄贈、遺贈などによって土地や建造物を取得し、保存、管理をしながら、一般に公開していく組織をつくろうと、1895年に非営利法人「ザ・ナショナル・トラスト」が設立された。1905年には、「ピーターラビット」の生みの親ビアトリクス・ポターが、湖水地方の美しい風景を守るために土地を買い取り、ザ・ナショナル・トラストにその維持管理を委ねた。現在は世界中に広まったナショナル・トラスト活動の先駆的役割を果たした協会なのだ。
