三島由紀夫を【観る】

史上最大規模の三島由紀夫映画祭  
代表作から激レア作品まで、全23本一挙公開!

Story -ストーリー-

にっぽん製

大映 1953年 96分 モノクロ
監督:島耕二 出演:山本富士子、三田隆、上原謙

パリ帰りのデザイナーの恋のお相手は、英国風紳士か、それとも柔道5段の純朴青年か? 戦後間もない中にあって、自立した女性を山本富士子が見事に体現する。三島は本作の発表直前にパリに長期滞在しており、軽やかな作風の中にも日本固有の価値観を外側から鋭く捉える。

【上映時間】
5月22日(日)〜5月25日(水) 10:30〜


潮騒(54)

東宝 1954年 96分 モノクロ
監督:谷口千吉 出演:久保明、青山京子、三船敏郎

初江と新治の瑞々しい青春劇を初めて映画化させた本作は、男女の性愛や嫉妬を日本に残る堅苦しい風土を背景に描いた傑作であり、本作に抜擢された青山京子の初々しさは観客と映画人に鮮烈な影響を与えた。本作以後、青山はアイドル的人気を博し、『潮騒』は青春スターの出世作として何度もリメイクされていく。

【上映時間】
5月22日(日)〜5月25日(水) 15:05〜


永すぎた春

大映 1957年 97分 カラー 
監督:田中重雄 出演:若尾文子、川口浩、船越英二

一年三ヶ月という長い婚約期間の間に次々と巻き起こる事件や騒ぎ…二人はそれらを乗り越えて無事にゴールインできるのか? 完全なフリーでもなく結婚もしていない男女のセックスをテーマに、抜群のユーモアを交えながら今見てもお洒落なスタイリッシュ・ムービー!

【上映時間】
5月18日(水)〜5月21日(土) 12:45〜


美徳のよろめき

日活 1957年 96分 モノクロ <東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品>
監督:中平康 出演:月丘夢路、葉山良二、三國連太郎

淑女・節子の秘める官能の心は、結婚以前に一度だけ唇を合わせた男との再会によって、日々抑えきれないものとなっていき、やがて愛欲の海へと泳ぎだしてしまう。“よろめき”という流行語を生み出したという本作は、新進気鋭の中平康の演出によって、女性の性愛をヒリヒリとあぶり出す見応えある一作となった。

【上映時間】
5月29日(日)〜5月31日(火) 10:30〜


炎上

大映 1958年 99分 モノクロ
監督:市川崑 出演:市川雷蔵、中村鴈治郎、仲代達矢

世間から孤立し美しいもの(金閣寺/劇中では駿閣寺)を自らの手中に収めておきたかったという吃音の青年役に、当時美男の時代劇スターであった市川雷蔵が懇願して出演。三島文学の映画化の最高峰であり、戦後の日本映画においても至高の輝きを放つ傑作。

【上映時間】
5月14日(土)〜5月17日(火) 10:30〜
6月1日(水)〜6月3日(金)   16:05〜


不道徳教育講座

日活 1959年 89分 モノクロ
監督:西河克己 出演:大坂志郎、信欣三、月丘夢路

反道徳テイスト満載の抱腹絶倒エッセイを、不道徳なチンピラ男を主人公にした痛快コメディとして劇映画化。レトリックを駆使して世に蔓延る道徳教育への批判をする原作に対し、映画では道徳を崇める間抜けなキャラクターたちの力によって道徳をおちょくる。「道徳とは檻である」とは冒頭の三島本人の言葉。

【上映時間】
5月29日(日)〜5月31日(火) 19:30〜


燈台

東宝 1959年 64分 モノクロ
監督:鈴木英夫 出演:河津清三郎、津島恵子、久保明

三島由紀夫25歳の頃の戯曲を、近年再評価の進む鈴木英夫の手によって映画化。年の差の離れていない父親の後家に恋慕してしまった青年の苦悩をスリリングに描き出す。閉鎖された空間において、濃密な人間関係を微妙な表情の揺らぎと小道具を駆使し、感情描写に長けた三島文学を見事に映画的に表現している。

【上映時間】
5月26日(木)〜5月28日(土) 16:40〜


からっ風野郎

大映 1960年 96分 カラー  ※出演作品
監督:増村保造 出演:三島由紀夫、若尾文子、川崎敬三

前年11月の帝国ホテルでの大々的な俳優宣言を経て、東大法学部の同期であった鬼才・増村保造監督のまさしく鬼のような演出の下、映画俳優・三島由紀夫は産声を上げた。ヤクザ家業と愛する女性の狭間で葛藤し、虚栄を捨てて愛を選ぶ男だったが、自らの過去は逃してはくれない。増村の世界観に溶け込む三島の勇姿!

【上映時間】
5月14日(土)〜5月17日(火) 17:00〜


お嬢さん

大映 1961年 79分 カラー 
監督:弓削太郎 出演:若尾文子、川口浩、田宮二郎、野添ひとみ

大企業重役の娘かすみが選んだフィアンセは、父親の部下であり名うてのプレイボーイ景一であった・・・。ハラハラしたい恋愛の後にやってくるハラハラしたくない結婚生活。若尾文子が妄想と行動を繰り返すヒロインを滅茶苦茶可愛く演じるほか、大映青春スター揃い踏みの楽しさ溢れるコメディ。

【上映時間】
5月26日(木)〜5月28日(土) 11:40〜


黒蜥蜴(62)

大映 1962年 102分 カラー ※劇化作品
監督:井上梅次 出演:京マチ子、大木実、叶順子、川口浩

怪奇ロマンの名手江戸川乱歩の小説を三島由紀夫が劇化、新藤兼人が脚色し、昨年惜しくも亡くなられた井上梅次が監督。歌あり踊りありのミュージカル仕立ての探偵ドラマで、全身から妖艶なオーラを放つ女盗賊役の京マチ子の怪演、全編に漂うカルトな雰囲気は、見る者の心に鮮烈な印象を残す。

【上映時間】
5月22日(日)〜5月25日(水) 18:35〜


大映 1964年 94分 モノクロ
監督:三隅研次 出演:市川雷蔵、藤由紀子、川津祐介

主演の市川雷蔵が自ら企画したという三島の短編小説を原作に、一途に剣の途を追い求め、強烈なリーダーシップを発揮する国分次郎の生と死を畏敬の念を持って描き出す。白刃をモチーフとした時代劇の傑作を生み出している三隅監督の珍しい現代劇だが、男の崇高なる生き様はサムライそのものである。

【上映時間】
5月18日(水)〜5月21日(土) 15:05〜
6月1日(水)〜6月3日(金)   10:30〜


潮騒(64)

日活 1964年 カラー 
監督:森永健次郎 出演:吉永小百合、浜田光夫

同名原作10年ぶりにカラー作品でリメイク。青春スターとして売り出し中の吉永小百合と浜田光夫が共演。歌島(神島)の美しいロケーションをリアルタッチで捉え、青春の悦びや不安など若い男女の心象風景をビビッドに活写する。吉永の健康的魅力が溢れんばかりの好篇。

【上映時間】
5月18日(水)〜5月21日(土) 17:20〜


獣の戯れ

大映 1964年 94分 モノクロ
監督:富本壮吉 出演:若尾文子、河津清三郎、伊藤孝雄

美しい妻、廃人同然の夫、そんな夫婦の下に夫を殴打し入獄していた青年が現れる。3人の奇妙な共同生活の中で繰り広げられる異常な人間模様。そしてその果てにあるのは悲劇か、それとも…。人間の異常な心理状態を濃密な筆致で描く三島文学を真っ向から映像化した異色文芸作品。

【上映時間】
5月18日(水)〜5月21日(土) 10:30〜


肉体の学校

東宝 1965年 95分 モノクロ
監督:木下亮 出演:岸田今日子、山崎努、中川ゆき

ゲイ・バーで働く青年・千吉に心奪われた妙齢の美女・妙子は、千吉を自分の家に住まわせるなど愛欲の深みへとはまっていくが・・・。全編退廃的なムードの中で、白黒の映像美と流麗なキャメラワーク、そして役者の陰鬱たる存在感が三位一体で光り輝く、日本映画の枠を超越したスタイリッシュ・ムービー!

【上映時間】
5月22日(日)〜5月25日(水) 12:50〜


複雑な彼

大映 1966年 84分 カラー 
監督:島耕二 出演:田宮二郎、高毬子、佐野周二

今で言えば「ワケありの彼」。国際線の搭乗員で英語堪能の上ハンサム・長身のプレイボーイ譲二に、心惹かれてしまう冴子。二人はやがて相愛の仲となるが、彼の神秘的な謎が二人の間柄を遠ざけてしまう・・・。譲二のモデルは、その後安部譲二として文壇に登場するその人であったという。

【上映時間】
5月29日(日)〜5月31日(火) 15:05〜


愛の渇き

日活 1967年 99分 モノクロ
監督:蔵原惟繕 出演:浅丘ルリ子、中村伸郎、山内明

三島初期のメロドラマの傑作を、浅丘ルリ子と蔵原惟繕監督の名コンビによって完全映画化。愛に渇いた(飢えた)女の情念、嫉妬、そして悦び。複雑な女心を精緻に描き取る三島の筆力も凄いが、そんな女性を体現してしまう浅丘の存在感もまた凄まじい。

【上映時間】
5月29日(日)〜5月31日(火) 17:10〜


憂国

ATG 1967年 28分 モノクロ 
監督・制作・原作・脚色・美術・主演:三島由紀夫 演出:堂本正樹

ワグナーの「トリスタンとイゾルデ」が流れ続け、台詞を一切排除した静謐で神々しい雰囲気が全編に漂う。三島が後年自身で最も愛着の深い作品としていた短編原作を、自ら製作・主演して映画化させ、世界各国の映画祭でも高い評価を受けた。三島と親交の厚かった大映の藤井浩明プロデューサーが、会社に内緒でスタッフを集めて、ほぼ一日で撮り終えたという。計算され尽した緻密な画面構成は、三島の美意識そのもの。2006年に三島邸で発見された貴重なネガフィルムから興したプリントでの上映となるが、都心での上映は大変珍しい。是非この機会に、三島芸術の極みをご堪能いただきたい。

【上映時間】
5月14日(土)〜5月17日(火) 15:50〜
5月22日(日)〜5月25日(水) 17:25〜
5月26日(木)〜5月28日(土) 10:30〜
6月1日(水)〜6月3日(金)   12:45〜


黒蜥蜴(68)

松竹 1968年 86分 カラー ※劇化・出演作品
監督:深作欣二 出演:丸山(美輪)明宏、木村功、川津祐介、三島由紀夫

バッハの調べに乗って暗躍する黒蜥蜴を、既に舞台で演じて三島から絶賛されていた丸山(美輪)明宏が、強烈なカリスマ性を放つ怪演を見せ、まさしく独壇場ともいえる存在感を発揮。明智小五郎との心理戦は、何度見ても惹き付けられる出来栄え。剥製にされた美男役で三島が出演し、妖しいキスを…。

【上映時間】
5月18日(水)〜5月21日(土) 19:25〜


人斬り

フジテレビ/勝プロ 1969年 140分 カラー ※出演作品
監督:五社英雄 出演:勝新太郎、石原裕次郎、仲代達矢、三島由紀夫、倍賞美津子

昨年の「龍馬伝」でも注目された土佐の剣士・岡田以蔵(人斬り以蔵)の生涯を描く時代劇大作。フジテレビの映画進出第2弾で、勝プロとの共同制作作品。ドラマの世界で力を蓄えた五社英雄監督の演出の下、以蔵役に勝新太郎、以蔵生涯のライバル武市瑞山役に仲代達也、土佐の脱藩剣士・坂本龍馬に石原裕次郎という豪華キャストが終結。さらに勝が懇願したという薩摩藩士・人斬り新兵衛役に三島由紀夫が出演する。三島は鍛えぬいた肉体と剣技を披露し、短い出演ながらも強い印象を示す。80年代のリバイバル上映以降は、ほとんどスクリーンでの上映機会もなく、DVD化もされていない。この隠れた傑作を是非とも劇場で!

【上映時間】
5月14日(土)〜5月17日(火) 12:50〜
5月26日(木)〜5月28日(土) 13:40〜
6月1日(水)〜6月3日(金)   18:25〜


潮騒(71)

東宝 1971年 88分 カラー 
監督:森谷司郎 出演:朝比奈逸人、小野里みどり

現在までに映画化されている5本の中で、最も原作に近いとされる一作。ラヴェルなどにも愛された『ダフニスとクロエ』を下敷きにした原作の崇高な薫りをそのままに、新人の二人が清冽に初々しく初江と新治を演じ、役者の無名さゆえの普遍的な青春劇となっている。

【上映時間】
6月1日(水)〜6月3日(金) 13:55〜


音楽

行動社/ATG 1972年 104分 カラー
監督:増村保造 出演:黒沢のり子、細川俊之、高橋長英

「音楽が聞こえない」と精神科医に相談に来た女・麗子。彼女の精神分析を進めるうちに、幼少期の歪んだ性体験が顕になっていく。大小様々なハサミが、官能的に時に攻撃的に麗子に迫り、やがて同化する。映画表現の制約を極限まで振り払った作品であり、挑発的な仕上がりが鮮烈な印象を残す。

【上映時間】
5月14日(土)〜5月17日(火) 19:20〜


潮騒(75)

東宝/ホリ企画 1975年 93分 カラー
監督:西河克己 出演:山口百恵、三浦友和

前年の「伊豆の踊り子」で初主演を果たし、女優としてもその才能を開花させた山口百恵と、本作の公開時からゴールデンコンビとして定着した三浦友和が、初めて恋人役で共演。都会の喧騒から離れた小島での純粋な恋模様は、二人の高い好感度もあって、瑞々しさこの上ない「潮騒」映画の決定版。

【上映時間】
5月29日(日)〜5月31日(火) 12:50〜


春の雪

東宝 2005年 150分 カラー
監督:行定勲 出演:妻夫木聡、竹内結子

三島由紀夫最後の大長編シリーズ「豊饒の海」第一部を完全映画化。大正時代、伯爵家の幼馴染である清顕と聡子は互いに惹かれあうが、聡子は治典王殿下との婚約が決まってしまう。強く求め合う二人を決定的に引き離す運命。人を愛することの切実さを情感たっぷりに描いた文芸大作。

【上映時間】
5月26日(木)〜5月28日(土) 18:25〜