Introduction -プロダクションノート-

ラスト8分間に2億4000万円を投入!

決勝戦で勝敗が決まった瞬間、ジェイ・チョウ演じるシージエが全神経を集中させて度肝を抜く秘術を見せる。敵の掟破りの反則に対する怒りもこめて、またたくまにバスケットコートを雲が覆い、雷鳴と稲光がとどろきわたる、圧巻のシーンだ。この驚異の8分間を実現させたのは、『ハリー・ポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの特殊効果を手がけたTechnicolor Moving Entertainment。この8分間のためだけに2億4000万円が投入され、空前絶後の勝利、そして喝采へと、観客の興奮をたぎらせる超ド級シーンが出来上がったのだ。

見事なセットデザインを実現!

シージエが育ったカンフー学校は、一般的な武術道場のイメージを見事に裏切って、高層ビルに囲まれた街中にある。これは、山里の奥にある少林や武当などの隠者風生活様式との違いを明確に打ち出すためで、カンフーを現実生活に溶け込ませる意味をもつ。また、シージエがカンフーを駆使してチンピラたちを叩きのめすカジノ&バーのデザインは、美術監督イー・チュンマンの創意工夫が際立っている。赤を基調にした配色の中で、巨大な黄金の龍が宙に浮かび、せせらぎに橋が架かるインテリアが、見事なモダン・チャイナ様式を表現しているのだ。

目を見張るカンフー師父たちの秘術!

シージエを「第一の弟子」として可愛がってきたカンフー学校の師父たちは、それぞれに独創的な秘術を誇っている。コー・ハン(高雄)演じるシージエの育ての父である師父の得意技は凍結術。ン・マンタ(呉孟達)演じるウー師父は、武当の後継者で、自由自在に「気」を操る。リョン・ガーヤン(梁家仁)演じるフェイ師父は、少林の名手で、空中遊泳を得意とする。ヤン・ニー(閻妮)演じるニー師父は、針飛ばしの術。ホアン・ボー(黄渤)演じる、ニー師父の夫、ホアン師父は、ヤモリに化ける術を得意としている。また、ジャッキー・ウー(呉宗憲)演じる、赤ん坊のシージエを拾った謎の人物は、空中歩行が得意だ。師父たちの神技を見ながら育ったシージエにとって、カンフーを取り入れたバスケはお手の物なのだ。

ジェイ・チョウが歌う主題歌「マスター・チョウ」!

今年2月に2夜連続武道館公演を大成功させたジェイ・チョウ。その時に披露したのが、本作の主題歌「マスター・チョウ」だ。武道館を埋め尽くしたファンは、サビの「とーふー、とーふー」の連呼を一緒に歌って大はしゃぎ。「僕は豆腐を売らない、トーフー、トーフー」「僕がカンフー学校で習ったのは、カンフー、カンフー」と、韻を踏んでいる歌詞が、麻薬のように頭から離れない。作詞は、ジェイの曲の多くに詞を書いているヴィンセント・ファン(方文山)。『頭文字〈イニシャル〉D THE MOVIE』で藤原豆腐店の息子役を演じたことにひっかけながら、カンフーに長けたシージエの強さを歌い上げた。

俳優ジェイの魅力

R&B、ラップ、クラシック、中国伝統音楽などを自在に融合した独自の音楽スタイルでスーパースターとして独走するジェイ・チョウ。00年のデビュー以来、これまでに出したCDアルバム8枚のセールスは1400万枚を超え、2枚目のアルバム『Fantasy』で台湾のグラミー賞と言われる金曲奨(ゴールデン・メロディー賞)最優秀アルバム賞、最優秀プロデューサー賞、最優秀作曲賞に輝いたのをはじめ、おびただしい受賞歴を持つ。その人気の秘密は、天才的な音楽センスと、時に甘く時に力強い歌唱力のほかに、いかにカリスマ的人気を集めようとも変わらない自然体の姿勢や、つねに新たなことにチャレンジしていく開拓精神にある。
昨年11月台北を皮切りにWorld Tour 2007〜2008を世界各地で敢行、今年2月に開催した武道館2夜連続公演も1万6千人の観客を動員して大成功。大がかりなステージに華々しい衣裳で登場しても、しばしば照れ笑いや安堵の微笑、時には焦りの色さえ浮かばせる。観客はそんな彼にカリスマ性よりも可愛さという親近感を感じて、大歓声を上げる。狙ってそんな表情を見せるのでは単なるキザだが、ジェイの場合はクールを装うべく努めながらも、ついこぼれてしまう微苦笑だから、素敵にキュートなのだ。
こうした魅力は映画の中でも存分に発揮される。『頭文字〈イニシャル〉D』の、鈴木杏演じる恋人との初々しいデート・シーンでは、心臓の鼓動が聞こえるような繊細な心境を表現した。アジアでの興行収入が20億円を突破した初監督作品『言えない秘密』でも、グイ・ルンメイ演じる女の子への眼差しは優しさと照れに満ちている。そして、本作『カンフー・ダンク!』では、シャーリーン・チョイ演じるリリーへのときめきシーンにも、エリック・ツァンとの共演シーンにも、ジェイの自然体の表情が随所に登場して、観客はせつなさや喜びを分かち合うのだ。
家族思い、友達思いで知られるジェイだが、それはこれまで演じてきた役にも共通している。父親思いで友達思いの藤原拓海を演じた『頭文字D』しかり、コン・リー演じる母親に献身的な愛情を示す『王妃の紋章』しかり。『カンフー・ダンク!』では、実の親への憧れを胸に秘めている役だが、むしろエリック・ツァン演じるリーと心の絆を強めていく部分や師父たちとの信頼関係が肝になっていて、ジェイ=シージエの愛情深さがにじみ出る作品になっている。
そしてまた、ストリート・レース(『頭文字D』)、剣術(『王妃の紋章』)、ピアノの達人(『言えない秘密』)と、ジェイはこれまでに才能豊かなキャラクターを映画の中で実践してきたわけだが、『カンフー・ダンク!』こそ、その最たるものだ。子供のころから大のバスケ好きで知られるジェイは、バスケとカンフーの融合という夢のような神技を得て、また、これまでにないコミカルな役という相乗効果もあって、実に生き生きとスクリーンを縦横に駆け巡っているのだ。

カンフー・ダンク! カンフー・ダンク!