Introduction -イントロダクション-

第一次世界大戦中の1914年、雪のクリスマス・イブ。
フランス北部の前線各地で起こった信じられない実話があった。

それは、フランス・スコットランド連合軍、ドイツ軍の兵士による〈クリスマス休戦〉という一夜限りの奇跡的な出来事だった。
この夜はやがて、ヨーロッパの人々にとって永遠に忘れられない特別なクリスマスとなった——。

この「戦場のアリア」は、ドイツ占領下だったフランス北部出身のクリスチャン・カリオン監督が、一冊の本に偶然出会ったことから始まった。そこには驚くべきことに、フランス北部の最前線ノーマンズ・ランド(相対する両陣営の中間にある無人地帯)で、クリスマスの夜に、敵国同士が一晩限りの〈クリスマス休戦〉に合意し、ドイツ人テノール歌手の歌声にフランス軍兵士が喝采を贈ったことや、戦地でクリスマスを祝うささやかな友好の様子が記されていたのだった。
監督は、大半がごく普通の青年だった兵士たちが愛する家族と離れて迎えるクリスマスの夜に、〈クリスマス休戦〉として敵国と友好を結んだ勇気に心を打たれ、彼らへのオマージュとしてこの史実を映画化することを強く願っていたと語っている。

戦場のアリア 戦場のアリア

2005年フランス観客動員第1位!
戦争と共に、歴史に置き去りにされた、
“愛する人を想う”哀しくも心震わせる実話の映画化!

戦地という極限状態、さらに緊迫した前線にいる兵士たちが戦地でのつかの間の温かさを味わえた〈クリスマス休戦〉のきっかけとなったのは、ドイツ人テノール歌手の素晴らしい歌声だった。
この役柄は当時、実際に慰問公演を行っていたドイツのテノール歌手、ヴァルター・キルヒホフである。1914年のクリスマスにドイツ軍の塹壕で歌っていたところ、100m先のフランス軍の将校がかつてパリ・オペラ座で聞いた歌声と気づいて拍手を送ったのだ。そしてヴァルターが思わずノーマンズ・ランドを横切り、賞賛者のもとに挨拶に駆け寄ったことから、他の兵士たちも塹壕から出て敵の兵士たちと交流することになった、という得がたいエピソードが史実として残っている。
ノーマンズ・ランドの境界線は、戦争を始めたごく一部の軍部指導者間で決められていたが、音楽には境界線などなく、同じ気持ちで祖国を想う兵士達に友情の交流を生んだのである。

戦場のアリア 戦場のアリア

名優たちの魂を揺さぶる演技に、カンヌも絶賛!!
ゴールデン・グローブ賞、 英国アカデミー賞、 外国語映画賞ノミネートを受け、
アカデミー賞外国語映画賞ノミネート!

“1914年のクリスマス休戦”の心温まる、しかし哀しい運命に翻弄された人々の物語は、残酷な歴史を浮かび上がらせながらも深い感動を呼び起こし、たちまちヨーロッパ各地で大ヒットとなった。
愛する人を救うためにすべてを投げうつデンマーク人ソプラノ歌手アナに、「トロイ」「ナショナル・トレジャー」の美しきダイアン・クルーガー、戦闘を指揮する責任と恐怖、重圧の挟間で葛藤するフランス軍中尉には、「ザ・ビーチ」のギョーム・カネ、任務に忠実で厳格なドイツ軍中尉に「グッバイ、レーニン!」「ラヴェンダーの咲く庭で」で、人気・実力ともにNo.1のダニエル・ブリュール、そして、生涯最高のクリスマス礼拝を行った慈愛深い神父に、「リトル・ダンサー」「マイ・ネーム・イズ・ジョー」等の実力派ゲイリー・ルイスなど。豪華な俳優たちの深みのある素晴らしい演技は見逃せないだろう。
監督・脚本には、本作が長篇2作目となるクリスチャン・カリオン。監督は、この1914年のクリスマス休戦で友好を結んだ勇気ある兵士の人間的な行為を、ドイツ人、フランス人、スコットランド人だけでなく、地球上のすべての国の人々に、そして今も世界各地で戦争をしている国の人々にも観てもらい、何かを感じとってもらえたらと語っている。

戦場のアリア 戦場のアリア