角川映画オススメシネマ映子の部屋-EIKO's ROOM-

今月のピックアップ・バックナンバー

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第73回「「若尾文子映画祭」 〜私のすべてを見せてあげる〜」

「若尾文子映画祭」が2月28日から角川シネマ有楽町で上映開始いたします(順次全国上映する予定です)。今回は、私大井利一がおススメする作品や若尾文子の意外な一面が見られる作品をご紹介いたします。

今回の映画祭の目玉は『刺青』(’66)の4K復元版の上映! オリジナルネガの褪色やフィルムに残ったキズを除去し、公開当時の鮮やかさが甦ります! 原作・谷崎潤一郎、監督・増村保造で主演が若尾文子と来たら、男女の業が“これでもか”とドロドロに描き切られているぞと、期待大! しかも撮影監督は宮川一夫! 若尾演じる、箱入り娘だった質屋の娘・お艶がどんな女になっていくか? 是非、スクリーンで確認してください!

大映のゴールデンコンビの1組、増村×若尾の作品から2作品を紹介。
増村×若尾の初タッグ作品が『青空娘』(’57)。通俗的とも言われた源氏鶏太の同名原作を、増村監督と脚本家・白坂依志夫が「一回も泣かないヒロイン」に描いたとされる作品。継母・異母姉弟につらく当たられ、どんな苦境でも明るく朗らかな若尾文子の姿は、それまでの映画にある“耐え忍ぶヒロイン”とは真逆の新しいヒロイン像を提示しました。
『赤い天使』(’66)は、戦時下における看護婦としての献身と、最前線で愛を全うしようする西さくらの生き様を描く異色作。軍医と看護婦が兵士を助け、場合によっては見捨てざるを得ない極限状況で、どのように生き、そしてどう愛を育むのか? 必見です! 因みに本作を観た友人は「○○(苗字)、入ります」のフレーズが気に入って、プライベートで一時使っていたそうです。

続いては、川島雄三監督と初めて組んだ作品『女は二度生まれる』(’61)。川島監督の盟友・フランキー堺を助演に迎え、無知で無欲な芸者・小えん(若尾文子)が、女性として、どう生まれ変わるのか? 女性映画に定評のある川島監督が大映で初めてメガフォンを握った作品です。川島監督が、どの様に若尾文子を生まれ変わらせたか? 大映所属監督の作品と違った姿がご覧になれます!

『お嬢さん』(’61)は、三島由紀夫の同名小説を原作としたラブコメディ。多くの作品で恋の相手役を務めた川口浩が恋のお相手。恋にヤキモキする若尾文子の姿が愛くるしい。肩ひじ張らずに楽しめる佳作です。

『新婚日記 恥しい夢』(’56)と『新婚日記 嬉しい朝』(’56)は、若尾文子の新妻ぶりが堪能できます。花崎千枝子(若尾)と花崎三郎(品川隆二)の新婚カップルにまき起こるトラブルを描くシリーズモノ。前者では新婚家庭に転がりこんだ女学生と電話を利用するご近所さん(当時はまだ家庭に固定電話が珍しい時代!)に悩まされ、後者では第一回夫婦喧嘩が最大の危機となるか?、といった具合のショートピクチャーです。

『新婚七つの楽しみ』(’58)では、川崎敬三を夫役に迎え、新婚旅行の途中にガス欠の新婚夫婦を助け、そのお礼に「新婚には七つの楽しみがある……」と聞かされ、その楽しみを次々と発見して行くラブコメディー。若尾ちゃんファンの方々は、川崎敬三に嫉妬しないでください(笑)。

今月ご紹介した作品は、「若尾文子映画祭」で上映されます。定番の作品を観るか、マニアックな作品を観るかはあなた次第! 若尾文子の様々な一面を楽しめるラインナップになっています! 角川シネマ有楽町での上映スケジュールはこちらをご確認ください。

刺青

製作年:1966年

谷崎文学の原点、処女作である「刺青」を増村保造・若尾文子コンビが映画化!

青空娘

製作年:1957年

たとえ外は嵐でも、私の心は太陽でいっぱい・・・逆境にめげぬ乙女の行動が深い共感を呼ぶ!

赤い天使

製作年:1966年

天使か娼婦か!兵隊の欲望に女の愛がやさしく応える! 血と泥の戦場に真実のいのちを求める従軍看護婦!

女は二度生まれる

製作年:1961年

女は二度生まれる。はじめは女として、二度目は、人間として。

お嬢さん

製作年:1961年

三島由紀夫の原作に、若尾文子が再び挑戦!若尾文子が自らデザインした“お嬢さんスタイル”が話題になった作品!!

新婚日記 恥しい夢

製作年:1956年

女子高生が新婚夫婦の寝室に居候、抱擁もキッスも出来ないじれったさ、悩ましさ!

新婚日記 嬉しい朝

製作年:1956年

「新婚ってとってもいいものねェ」――若尾ちゃんの新妻が、寝ぼけた顔でつぶやいた!

新婚七つの楽しみ

製作年:1958年

灯を消してそれからは……誰もが見たい聞いてみたい、若尾ちゃんの新婚第一夜!