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今月のピックアップ・バックナンバー

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第66回「大映俳優列伝 〜伊達三郎〜」

大映京都作品でひときわ存在感を放つ悪役俳優の一人が、ちょっと面長でシャクレがかった顔を持つ伊達三郎です。ピンとこない方には、『眠狂四郎殺法帖』(’63)の財宝に執着する銭屋五兵衛役、『眠狂四郎女妖剣』(’64)では狂四郎に“凶”の占いを授けるもそれが自分自身に返ってきてしまう易者役、『眠狂四郎炎情剣』(’65)で狂四郎がかたき討ちの助太刀をしてしまったがために討たれてしまう悲劇のあばた侍・貝塚紋之助役を演じている人と言えば、雷蔵さんファンに中にはピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、『続・忍びの者』『新忍びの者』(ともに’63)で主人公・市川五右衛門を利用しようとする大役・服部半蔵も演じています。一部情報では天知茂が演じたという記録もありますが、2作とも伊達三郎が演じています。
更に言うと、『炎上』(’58)のラストで雷サマ演じる溝口と列車の乗降口で格闘する「護送する刑事(A)」も演じ、オールスター映画『雪之丞変化』(’63)では、主人公・雪之丞の復讐相手の3人うちの1人川口屋を演じ、雪之丞の計略に引っかかり悪い仲間を手にかけてしまい自滅していくさまを憎々しながらもどこか哀愁が漂うという難しい役も演じ切りました。

伊達三郎さんの経歴は、1924年3月27日生まれ、本名は桜春太郎と、本名の方がいかにも役者の名前っぽいという演じてきた役柄同様にアクが強いです(笑)。
復員後に大映京都撮影所に入所し、1946年の稲垣監督作品『おかぐら兄弟』でデビュー。その後は主に敵役・悪役として多くの作品に助演。一方、オールスター映画『忠臣蔵』 (’58)では、四十七士のひとり、杉野十平次を演じたほか、市川崑監督作品『ぼんち』(’60)では縁なしメガネをかけた番頭の秀助など善人も演じています。
また、1968年11月30日公開の『女左膳 濡れ燕片手斬り』から1970年4月4日『おんな極悪帖』までの間、芸名を「伊達岳志」と改名していました。若しかすると改名に凝っていたと言われる雷サマの影響かもしれません。

大映倒産後は活躍の場を主にテレビに移し、多くの時代劇・刑事ドラマでも敵役を演じました。東映映画『新幹線大爆破』(’75)では、新幹線内に閉じ込められる大阪サラリーマン演じ、映画ファンを唸らせました。また、徳間大映作品の『光る女』(’87)では、武藤敬司演じる主人公が住む村の会長役として出演していますが、残念ながら出演シーンはカットされ、エンドクレジットで後姿が確認できます。DVDは廃盤ですが、特典映像で無音ながらも出演シーンが見られます。
1991年9月12日、多くの映画ファン・時代劇ファンに惜しまれながら67年間の人生に幕を閉じました。出演した映画は150余作品を超えると言われています。

今回紹介した作品のいくつかは、4月14日(土)から角川シネマ新宿で行われる「大映男優祭」で上映いたします。上映作品・スケジュールはこちらでご確認ください。

眠狂四郎 殺法帖

製作年:1963年

宙に円月を描けば鮮血一条! 一瞬、地上に崩れ落ちる六つの影!

眠狂四郎 女妖剣

製作年:1964年

妖しく激しく迫る五つの肌! 抱かんとすれば、襲い来る必殺の拳法! 迫る忍者!

眠狂四郎 炎情剣

製作年:1965年

犯すもよし、斬るもよし! 冷たく冴える非情の瞳、キラリと光ったその一瞬!

続・忍びの者

製作年:1963年

地上にも、空中にも、同一人物が現れる!
堀を飛び、天守閣に吸いつく忍者の早業!

炎上

製作年:1958年

誰も知らない! 誰も解ってくれない! 何故おれが国宝に火をつけたかを……

雪之丞変化

製作年:1963年

長崎から江戸へ!恋と復讐が渦巻く豪華絢爛!日本一のオールスター時代劇!

おかぐら兄弟

製作年:1946年

珍しや千恵蔵・ロッパの初顔合わせ! そして明るくノックアウトしようといふおそるべき計画!

光る女

製作年:1987年

『台風クラブ』で第1回東京国際映画祭の“ヤングシネマ'85”大賞を受賞した相米慎二監督が、プロレスラー武藤敬司の銀幕デビューさせた作品!