角川映画オススメシネマ映子の部屋-EIKO's ROOM-

今月のピックアップ

第63回「『市川崑生誕100年記念』第3回 映画祭2月のおススメ作品」

生誕100年記念「市川崑映画祭 光と影の仕草」が角川シネマ新宿で絶賛公開中です。大阪・シネ・ヌーヴォを皮切りに、順次全国上映していきますので、お楽しみに!
今回は角川シネマ新宿での2月上映作品の中から、大井利一がおススメする作品を紹介いたします。

『処刑の部屋』(’56)は、当時センセーショナルな話題を巻き起こした石原慎太郎原作の映画化。若者の無軌道な性と暴力を描きますが、社会人としての“大人”になりきれず、青春の中の友情を試す無軌道かつ純粋(甘チャン?)な主人公を川口浩が熱演。川口のキャラクター「若さゆえの無茶を起こすものの、憎み切れないあんちくしょう」っぷりが、本作でも発揮。増村保造作品でもそのキャラクターで数々の名作を残していますが、市川崑作品では本作と『おとうと』が、双璧でしょう。育ちの良さが鼻に付かず、若さの故の暴走が可愛くも感じられるのは、川口浩だからこそのキャラクターなのではないかと、筆者は思っています。また、『太陽を盗んだ男』における菅原文太ばりの川口の不死身っぷりも必見です。

『あなたと私の合言葉 さようなら、今日は』 (’59)は、「『有楽町で逢いましょう』に次ぐ“合言葉映画”で、新しい合言葉となった「さようなら、今日は」は十万人の題名公募の結果、決定」(当時のプレスより引用)された作品です。川村淳が唄う主題歌「さようなら今日は」は、観終わった後も口ずさんでしまうことでしょう。筆者はなんとかしてシングルレコードを入手しました。隠れた名曲です。話の本筋は男やもめで育った娘の結婚をめぐる話ですが、市川監督らしいスピーディーな台詞の応酬、強い女性に翻弄される男性陣、などコメディータッチで描かれ、清々しさが残る傑作です。父親役の佐分利信の重厚さは、戦前からのスターならではのオーラが醸し出すのでしょう。是非、ご覧あれ!

『私は二歳』(’62)は、監督・市川崑、脚本家・和田夏十ご夫妻が、現実に二歳のお子さんの親となって、松田道雄の「私は二歳」と「私は赤ちゃん」読んで映画化を考えた作品。二才の赤ちゃんが主役という映画史上初めての試み(当時のプレスより)だけにあって、撮影方法も様々な実験がなされたそうです。画郭も横長のスコープサイズ全盛の時代に敢えてスタンダードサイズを選んだのもその結果の一つなのでしょう。

『悪魔の手毬唄』(’77)は、『犬神家の一族』に続く「金田一耕助シリーズ」で本作以降は東宝での製作になります。シリーズの中でも人気が高い作品でもありますが、筆者は切なさでもシリーズ屈指だと思っています。岸惠子と若山富三郎の間にある感情が、ラストに向けて涙を誘うことは請け合いです。劇中の「鬼首村手毬唄」もこれまた耳に残ります。サントラCDも発売されているようです。

今月ご紹介した作品は、「市川崑映画祭 光と影の仕草」で上映されます。上映スケジュールはこちらでご確認ください。

今回の紹介した『悪魔の手毬唄』を除く3作品は弊社からDVDを発売しております。前々回ご紹介した3作品を収録した「市川崑 4K Master Blu-ray BOX」も、絶賛発売中です!

他の大映、角川映画、日本ヘラルド映画の作品については、「角川シネマコレクション」公式HPをご確認ください。

また、東京国立近代美術館フィルムセンターでは、三隅研次監督の大回顧特集上映「映画監督 三隅研次」が3月11日まで開催されます。『座頭市血煙り街道』(’67)は、カツシンと東映の剣豪スター・近衛十四郎との一騎打ちが見もの。これぞ、ザ・チャンバラな一作です。大映作品のみならず、勝プロ作品はもちろんの事、「必殺」シリーズも見られるファン垂涎の特集です。上映作品の詳細、場所などはHP(http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/misumi-2016-1/)でご確認ください。

処刑の部屋

製作年:1956年

「俺たちはしたい事をするんだ!」―青春のパッションと孤独
戦争によって、人生における最も基盤となるべき訓練を受ける時間を持たなかったこれらの失われた時代の人々が、青春の奔流のままに爆発する姿はそのまま現代の苦悩を示すものである。私はその苦悩の実体を、貪欲に解剖し、冷静に見きわめたい。
―市川崑(公開当時プレスシートより)

あなたと私の合言葉
さようなら今日は

製作年:1959年

東京娘と大阪娘が素敵に楽しい結婚合戦!
昨日の恋よさようなら、新しい恋よこんにちは!

『有楽町で逢いましょう』に次ぐ本年度合言葉映画で、新しい合言葉となった「さようなら今日は」は十万人の題名公募の結果決定したもの。

私は二歳

製作年:1962年

おかあさんは山本富士子 おとうさんは船越英二 そしてボクが主役です!

市川崑映画祭−光と影の仕草

製作年:

その出会いは永遠に色褪せない

「巨匠」と呼ばれながらも常に時代の先端を軽やかに駆け抜けた日本を代表する映画監督・市川崑‐『雪之丞変化』『おとうと』『炎上』デジタル復元版ほか一挙上映!

座頭市血煙り街道

製作年:1967年

みなし子かばい、居合もにぶる!
迫るは剣豪素浪人!
市逆転の仕込みの業は・・・

映子の本棚(書籍紹介)

大映特撮映画大全
大怪獣空想決戦 ガメラ対大魔神

ガメラも大魔神も妖怪も!みんな大好き大映映画!!
日本映画の一時代を築いた、大映映画の「特撮」と「ファンタジー」の魅力を網羅した一冊。
『大魔神』シリーズ、『ガメラ』シリーズ、『妖怪』シリーズなど各作品への豪華執筆陣の寄稿は超貴重!秘蔵スチルも収録!

掲載された作品 『大魔神』シリーズ、『ガメラ』シリーズ、『妖怪』シリーズ
出版社 角川書店 発売日 2010/07/16
著者名 監修:角川映画
価格 1,890円(税込) ISBNコード 978-4-04-854511-2-C0076
詳細 http://www.kadokawa.co.jp/comic/bk_detail.php?pcd=201004000043

雷蔵の色

今なお不動の人気を誇る市川雷蔵のすべてを、斬新な役者論、映画論、時代論で描き切る決定版。
写真、口絵ポスター満載!

掲載された作品 『若き日の信長』『かげろう絵図』『安珍と清姫』『新忍びの者』
出版社 河出書房新社 発売日 2009/07/13
著者名 村松友視
価格 1,680円(税込) ISBNコード 978-4-309-01926-0
詳細 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309019260

日本の美100

25人が選ぶ日本の美100 美の在処を巡って 対談 高橋睦郎×池内紀

掲載された作品 『雨月物語』『お遊さま』『祗園囃子』
出版社 平凡社 発売日 2008/10/24
著者名 梅原猛 磯崎新 横尾忠則ほか
価格 1,890円(税込) ISBNコード 978-4-582-63441-9
詳細 http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/viewer.cgi?page=browse&code=634041

大魔神の精神史

放映から40年を経て、謎はいま解き明かされる!甦る大魔神の世界!!

なぜ大魔神は埴輪なのか?なぜ乙女の涙は必要なのか?なぜ大魔神は剣を抜いたのか?
筒井康隆による幻の第四作とは?『モスラの精神史』の著者が、再び日本の文化イコンの謎を一挙解明!! 大魔神から日本が見える!

掲載された作品 『大魔神』シリーズ
出版社 角川書店 発売日 2010/08/10
著者名 小野俊太郎
価格 800円(税込) ISBNコード  
詳細 http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201004000221

市川崑大全

金田一シリーズ!木枯し紋次郎!東京オリンピック!
ミステリものの名手か?文芸映画の王様か?テクニックの天才か!?
国民的巨匠の表と裏のすべてがこの一冊で分かる!!
(石坂浩二、中村敦夫、岩井俊二ほか関係者証言&フィルモグラフィー完全収録!!)

掲載された作品 『犬神家の一族』
出版社 洋泉社 発売日 2008/12/03
著者名 映画秘宝編集部・編
価格 1,785円(税込) ISBNコード 978-4-86248-339-3
詳細 http://www.yosensha.co.jp/book/b2445.html